お気に入りのインテリア、手作りの家具、居心地の良さを追求したリノベーションなど、住まう人の理想が詰まった「こだわりの部屋づくり」についてご紹介するこちらのシリーズ。
今回ご紹介するのは、神奈川県横浜市在住の山口さん夫妻の部屋です。ダークな木の色とブラックで揃えた室内は、シックでモダンな雰囲気。植物や椅子のカラーが程よいアクセントになり、住む人の遊び心を感じさせます。リビングには、ご夫婦ともに好きだという漫画の並ぶ本棚があります。漫画以外にもフィギュアやカメラなどがセンスよく配置され、大人がワクワクできる空間です。窓から見える緑に心を癒やされながら、素敵な日々を送るご夫婦の部屋づくりを見ていきましょう。
【山口さん夫妻】
家族構成:夫婦、犬(トイプードル)・こむぎちゃん
年齢:奥さま 32歳、ご主人 31歳
仕事:奥さま保育関係、ご主人 IT関係
「昨年の3月に引越しをしたので、約1年半住んでいます。結婚式の準備中に物件を探し始めて、リノベーション工事が終わったタイミングで入居しました」
【住んでいる物件】
間取り:2LDK+WIC
広さ:71.63m2
築年数:19年
ご夫婦ともに都内に勤務しているので、通いやすさを考慮しながら住む場所を選びました。奥さまの友人が近くに多いのも大きなポイントです。この物件に関しては、リノベーションのしやすさが最優先されました。長方形よりも真四角の部屋のほうがリノベーションしやすいという特徴があります。
「静かで暮らしやすい街で、気に入っています。インテリアを見に行くのは、横浜や目黒、自由が丘が多いです」
【リノベーション】
リノベーション工事費:1,080万円
リノベーションを依頼した会社:nuリノベーション
「物件探しからリノベーションまで全部やってくれました」
1.インテリア好きの2人が選んだ、漫画専用本棚のある部屋
リノベーション雑誌をご主人が読んでいて、もともとリノベーションには興味を持っていました。
山口さんご夫婦がリノベーションを選択した理由の1つに、「漫画を置ける本棚が欲しい」というのがありました。既製の本棚では、サイズの異なる漫画や雑誌をきれいに置くことはできません。オーダーメイドの本棚は、それぞれの棚のサイズがぴったり。本屋さんやカフェのように美しく並べることができます。
もともとインテリアが好きな2人は、都内のインテリアショップに足を運んで自分たちの好きなテイストやつくりたい部屋のイメージを固めていたようです。高いインテリアセンスの持ち主が、自分好みの部屋をつくりたいと願うなら、リノベーションは選択肢の1つです。
2.コンセプトはL>R
キッチンのシンクと作業スペースが、左利き用に配置されています。さらに、ベッド横のコンセントも左側にあるので、寝ながら携帯を充電できます。
生活動線を考慮した設計
洗濯と片付けが1ヶ所ですむようにウォークインクローゼットに洗濯機を配置しました。ベランダに干した洗濯物を窓から取り込んで、ウォークインクローゼットにすぐ掛けられます。洗面所→バスルーム→ウォークインクローゼット(洗濯機)→ベランダがひと続きになっています。一連の動作がスムーズに行えるよう、動線を考慮した設計です。
海系、サーフ系NGでつくるアメリカンテイスト
照明:ACME Furniture/ソファ:ACME Furniture
JOURNAL STANDARDやACME Furnitureのようなアメリカンテイストが好きな山口さんご夫婦。テイストはNGワードを決めることから始めました。
ご主人の好きに飾れる場所をつくって、ほかはすっきりさせています。暖色系で揃えた照明と無垢材のフローリングが、アメリカンテイストに温かみと安らぎを加えています。
3.お気に入りのアイテムは照明とソファ
照明
ご主人の希望で購入した照明は、電球が9つ付いた特徴的なデザインです。黒のアイアンが部屋のテイストとよく合っています。躯体表し(素材がむき出し)の天井を暖色系の照明で照らせば、凹凸や剥がした跡に表情が加わって雰囲気が出ます。
ソファ
前に住んでいた部屋から持ってきたソファは、大きいサイズです。ベストな座り心地のためには、どうしてもこのサイズが欲しかったそうです。
4.空間ごとのポイント
リビング
リビングでこだわっている点は3つです。
・中央の柱の色を黒にしたこと
・入り口のドアを透明にしたこと
・窓をつくったこと
柱には配線が入っているため、動かすことができません。白で囲む案もありましたが、色のバランスから黒を選びました。黒の柱が部屋全体を引き締めて、大人っぽい雰囲気に仕上がっています。
ガラス戸は既存の黒枠に、窓の高さに合わせた黒いラインをつけています。ご主人は玄関横のワークスペースで仕事をすることもありますが、リビングの窓とガラス戸のおかげで、奥さまがリビングやキッチンにいても、ご主人の様子がよく見えます。違う部屋にいても一緒にいる感覚を味わえそうです。
・本棚
雑誌を立てかけて、絵のように飾れば部屋のアクセントになります。フィギュアやぬいぐるみが楽しい雰囲気を盛り立てています。
・テレビ台、テーブル
ダイニング
ダイニングテーブル:ロフト
ダイニングテーブルは、前の部屋から持ってきた物です。木の質感と不規則についている模様が、今の部屋のテイストとよく合っています。植物を吊るすアイデアは、ペットのこむぎちゃんが触らないようにと考えて思いつきました。
キッチン
キッチンに腰壁をつけて、アイランドキッチンにしています。腰壁の木の部分をよく見るとLの形です。左利きの山口さん夫婦のことを表現しているそうです。さりげない遊び心が素敵です。
トイレ
リビングとは打って変わって、トイレはイエローとブラックのポップなデザインです。さりげなく置かれたフィギアのインテリアが、ポイントです。
ワークスペース
2人並んで作業ができる広々としたワークスペースです。奥さまは趣味の手芸、ご主人は仕事と、同じ空間にいながら思い思いの時間を過ごすことができます。
ワークスペースの横は、奥さまの本棚です。梯子を上った先は来客用のベッドスペースで、その下は広い収納スペースです。
ベッドルーム
グレーと白でまとめられたベッドルームは、シンプルで落ち着ける雰囲気です。
洗面台
家の中で唯一、暖色ではない照明にした場所は化粧台の鏡周辺です。前の部屋ではリビングで化粧をしていた奥さまですが、化粧台ができてからは化粧をする時間が楽しいと笑顔で話してくれました。
玄関
5.ペットについて
ペットスペース:楽天
ゲージと小さなテントがこむぎちゃんのスペースです。広い部屋を縦横無尽に動くことができるようにしています。
飼い始めてからは、ペットのことを考えながら部屋づくりをするようになったそうです。植物はこむぎちゃんの手が届かないよう、高い位置に吊るし、テーブルの上には何も置かないようにしています。
後編は、リノベーションの過程や住んでからの部屋づくり、山口さん夫婦のライフスタイルについてご紹介します。