お気に入りの家具やインテリア、DIYやカスタマイズ、賃貸でも購入物件でも自分らしさに妥協したくない。そんな部屋づくりにこだわった人たちを紹介する「こだわりの部屋づくり」シリーズ。
今回ご紹介するのは、東京都にお住まいのnorimaiさんの部屋です。アンティーク家具の取り入れ方や、空間をまとめる「3色ルール」についてお話を伺いました。
コンセプトは「居心地と合理性」
以前はペット不可のマンションに住んでいたnorimaiさんご夫妻。犬と一緒に暮らしたくて、ペット可の物件を探したそうです。広々としたキッチンと二面採光に惚れ込んで、引越しを決めました。
リラックスできる部屋づくり
norimaiさんは自分の部屋について、「〇〇北欧系」や「ナチュラル系」といったよくあるテイストに分類できないと言います。雑誌などからはあまり情報をインプットせず、心地いいと感じるものを追求してきたそう。
「3色ルール」で部屋をまとめる
norimaiさんが絶対的な基準としているのが、「3色ルール」。たとえば、リビングは古い木とグレー系と真鍮の色だけを採用しました。エリアごとに使う色を決めると、部屋に統一感が出ます。
お気に入りのアイテムはアンティークのキャビネットと真鍮のデスクライト
キャビネットはフランス製のアンティーク
フランス製のキャビネットが、norimaiさんのお気に入り。アンティーク家具には、一期一会のよさを感じると言います。
真鍮のデスクライトもお気に入り
こちらのデスクライトは、ドイツ製のアンティーク。イメージどおりのものが見つかったとうれしそうに話してくれました。
アンティーク家具を取り入れるコツは、新品と古いものの境界を意識せずに合わせることだそう。
空間ごとのポイント
キッチンはクローズ収納。「全部しまう派」のこだわり
お菓子づくりが趣味のnorimaiさん。実用的にキッチンを使いながらも美しく整理収納しています。
norimaiさんの「3色ルール」は、キッチンにも。清潔感を重視したキッチンは、「白、グレーまたはシルバー、ウォールナット」でまとめています。家電から消耗品、日用雑貨まですべて白で統一する徹底ぶり。原色が目立つ商品パッケージは詰め替えるのではなく、すべて収納することで見せる色を統一。実際にキッチンをよく使うnorimaiさんならではの、手間をかけない工夫です。
ダイニングは好きなものを置くエリア
ダイニングの「3色ルール」は、古い木材の色合いとダークグレー、そして植物の緑。特にこだわりを持っているのは木の色と質感だそうです。
ダイニングの壁にある、掘り込み式のディスプレイコーナー。内見時に心惹かれたそう。お気に入りのキャビネットと合わせて、ダイニングは「好きなものを置くエリア」にしています。
小物を飾るとき、norimaiさんが大事にしているのは「余白」。アイテムを厳選し、背の高さや色のバランスなどを考えながら等間隔で配置します。春は桜モチーフ、夏はガラスの小物と、季節ごとに小物を入れ替えるのも、暮らしを豊かにする工夫です。
植物を取り入れ暮らしを豊かに
在宅でお仕事をされているnorimaiさんは、家での過ごし方を大切にしています。植物を飾ることも、暮らしを豊かにする工夫のひとつ。今、キャビネットの上に飾られているのはドウダンツツジです。
なるべくモノトーンの花器や花瓶を選ぶ理由は、そこに花の色がプラスされるから。norimaiさんは、陶芸家の作品を多く取り入れています。
ワークスペースにもアンティークを
ワークスペースには、デスクが2つ。手前にあるのは、写真撮影に使ったりご主人がときどき使ったりする作業デスク。壁に寄せて置いてあるのがnorimaiさんの仕事デスクです。
脚の細工が美しい日本製のアンティークデスク。norimaiさんが最初に購入したアンティーク家具で、いとおしそうに使い心地を語ってくれました。
ペットとの暮らし
こちらの部屋に引越した後、norimaiさんはトイプードルのてんちゃんをお迎えしました。
ペットとの暮らしではさまざまなトラブルが起こりやすいもの。トラブルを回避するためにも、norimaiさんの「全部しまう派」という考え方は役立っています。
部屋づくりの過程
部屋づくりの過程1:間取り図を見ながら配置を考える
norimaiさんの部屋づくりは、入居前から始まります。サイズを測り、間取り図を見ながら、パズルを組み立てるようにして配置を考えるそうです。
部屋づくりの過程2:生活動線を想定してDIY
家具選びや配置にあたってnorimaiさんが大事にしているのは、「生活動線」です。あらゆるシチュエーションを想定する徹底ぶりに驚かされました。
たとえば、ワークスペースとリビングの境界にあるデスクは、古材とアイアンレッグを組み合わせたDIY。自然光を使ってお菓子の写真を撮るときに活躍しています。頻繁な移動を想定して、あまり重くない素材を選びました。
部屋づくりの過程3:壁紙のDIY
ワークスペースのグレーの壁は、norimaiさんが一人でDIYしました。入居当初は壁紙を貼るかどうか迷ったらしく、引越しから1ヶ月ほどたってから作業したそう。
今後はアートにも挑戦したい
植物も好きなnorimaiさんは、アンティークの植物標本を玄関に飾りたいと話してくれました。
これから部屋づくりを始めたい方へ
norimaiさんが、これから部屋づくりを始めたい方に向けて送ってくれたのは、「部屋のテイストやジャンルにはこだわらなくていい」というメッセージ。
心地いいものに囲まれる暮らしこそが、余裕のある「豊かな暮らし」にもつながる――。そう感じさせてくれる部屋でした。
■プロフィール
norimaiさん
Instagram:@norimai
仕事:セレクトショップオーナー/Webメディア運営
東京都
夫婦二人暮らし、犬(トイプードル:てんちゃん)
間取り:1LDK(29畳+ベッドルーム8畳)