お気に入りのインテリア、手作りの家具、居心地の良さを追求したリノベーションなど、住まう人の理想が詰まった「こだわりの部屋づくり」についてご紹介するこちらのシリーズ。
今回ご紹介するのは、大阪府堺市在住のichi976.craftworksさんの部屋です。黒、焦げ茶色、グレーなど、色味を抑えたカジュアルで男前な雰囲気ただよう家具が並んでいます。コンクリートむき出しの壁、チェーン、配管といったインダストリアルなアイテムが随所に見られます。家具やインテリアの多くは、ichi976.craftworksさんの手でつくられたものです。今回は、セルフリノベーションでつくるブルックリンテイストの部屋づくりを見ていきましょう。
【ichi976.craftworksさん】
仕事:建築関係
年齢:43歳
家族構成:4人暮らし(夫婦、娘さん 2人(13歳、9歳))
「ダイニングテーブルの買い替えをきっかけに、5年前からセルフリノベーションを始めました」
【住んでいる物件】
間取り:3LDK
築年数:10年
ichi976.craftworksさんが住んでいるのは、大阪府堺市にある3LDKの部屋です。当初は中古物件を探していましたが、知り合いのご縁で、新築なのに値段も立地も好条件な今の部屋に出合いました。駅から徒歩10分圏内にあり、家族と一緒に住むには最適の環境です。ichi976.craftworksさんのお気に入りは近所の神社。駅ビルやショッピングモールでにぎわう一角にある神社は、緑に囲まれた異空間です。マンションの窓からは、神社の豊かな緑が見渡せます。
1.ダイニングテーブルの買い替えから始まったセルフリノベーション
セルフリノベーションを始める前は、物が散乱しているだけで何のこだわりも感じられない部屋だったそうです。入居5年目のときに、使い込んだダイニングテーブルを買い替えることにしました。購入したのは、オシャレな木製のダイニングテーブル。せっかくの新しい家具でしたが、部屋の雰囲気から浮いてしまい、ミスマッチだったそうです。ichi976.craftworksさんは、ミスマッチを埋めるためにダイニングテーブル周辺をセルフリノベーションするようになりました。
初めてのセルフリノベーション:ローテーブル
初めてセルフリノベーションをしたのは、リビングのローテーブルです。当初は購入するつもりでしたが、気に入ったデザインのものはすべて予算オーバーだったそうです。
SPF材を使用したローテーブルは重量があるため、キャスターを付けています。掃除をする際にも移動がスムーズです。取っ手はガス管にして、インダストリアルな雰囲気をだしています。自分でつくった物は時間がたつほど愛着がわいてくるところがいいと、笑顔で話してくれました。
2.コンセプトはくつろげてかっこいいブルックリンテイスト
ラグ:niko and…
DIYをした家具や壁は黒、焦げ茶色、グレーが中心です。ポイントとなるカラーは、植物の緑です。扱いやすいフェイクグリーンではなく、あえて本物のる植物を選んでいるのは、「植物の成長とともに部屋の変化も楽しみたい」というichi976.craftworksさんのこだわりです。
3.空間ごとのポイント~リビング・ダイニング~
リビング
ローテーブルの取っ手に代表されるように、所々に配管やガス管を使うセルフリノベーションがichi976.craftworksさん流です。テレビ台の後ろにチェーンを吊るすことで、空間に統一感を持たせています。
・ラグ
家具選びは自身の直感に従うことが多いと話すichi976.craftworksさん。ラグは色と柄で選びました。
ダイニング
ダイニングテーブル:LULUCA
昼の日差しが降り注ぐダイニングは、カフェのような雰囲気です。近所の子どもたち向けに「書き方教室」を開催することもあるそうです。にぎやかなダイニングも、夜にはしっとりした大人の雰囲気に。家飲みが好きなichi976.craftworksさんは、ダイニングでお酒を楽しむのが習慣になっています。
・水槽
小さな水槽は、部屋の雰囲気づくりに加えて「書き方教室」にやってくる子どもたちが楽しめるようにとの配慮です。
・セルフリノベーション1:折りたたみ式テーブル
奥さまからの依頼でつくった折りたたみ式テーブル。「書き方教室」の生徒さんが増えた際に、テーブルが足りなくなったので、つくるようにお願いされたそうです。
・セルフリノベーション2:マガジンラック
雑誌が収納できるマガジンラックは、限られたスペースを有効活用できるように計算してつくられています。
・セルフリノベーション3:サイドテーブル
サイドテーブルは娘さんからの要望に応えてつくった物です。「書き方教室」の生徒さんたちがリビング、ダイニングを使用する際には、娘さんはサイドテーブルを寝室に移動して、勉強机にしながら宿題をやっているそうです。リビングではサイドテーブルとして、寝室では勉強机として利用できる、フレキシブルなアイテムです。
4.空間ごとのポイント~キッチン~
調味料や調理器具、レシピ本などキッチンには物があふれてしまいがち。ichi976.craftworksさんは奥さまが料理しやすいようなキッチンを目指してセルフリノベーションしていきました。
・セルフリノベーション1:スパイスラック
キッチンのセルフリノベーションで最初に手を付けたのは、スパイスラックです。セルフリノベーション初心者なら、スパイスラックのような小物から始めると上手くいきやすいです。
・セルフリノベーション2:キッチンカウンター
・セルフリノベーション3:ペットボトル入れ
引き出せるタイプのペットボトル収納棚が欲しいという奥さまの要望から生まれたペットボトル入れはichi976.craftworksさんのお気に入りアイテムの1つです。冷蔵庫脇のデッドスペースを上手に活用しています。
・セルフリノベーション4:リメイクシート
引き出しや壁には、セリアで購入したリメイクシートを貼っています。ブルックリンテイストのような色を抑えた部屋は冷たい印象になりがちですが、キッチンのレンガシートのおかげで動きが感じられ、温かみを添えています。
5.空間ごとのポイント~洗面所・トイレ・バスルーム~
洗面所
もともとは白で統一されていた洗面所を、木目調の壁紙でビンテージ風にセルフリノベーションしています。蛇口の裏にある鏡は、タイル調のシートで水撥ねを防止。
・セルフリノベーション1:収納棚
扉がなくて中が丸見えだった収納棚に、木製の扉を付けて目隠しにしています。最初は大きな1枚の扉でしたが、1番下にあるゴミ箱を使うたびに大きな扉を開け閉めするのは大変だったため、ゴミ箱の部分が独立できるように改造しました。
洗濯機上の棚は、洗剤やタオルが置けるようにichi976.craftworkさんがつくった物。小さなデニム生地のカーテンは、干してある洗濯ネットの目隠しです。
・セルフリノベーション2:
100円均一で購入したボトルに、木製のカバーを付けてソープディスペンサーにしています。1年前にお気に入りのステンレスボトルが壊れてから、DIYをした容器に変えたそうです。
トイレ
・セルフリノベーション1:トイレットペーパーホルダー
ホームセンターで購入したガス管を使った、個性的なデザインのトイレットペーパーホルダー。
・セルフリノベーション2:タオル掛け
ペーパーホルダー同様、ホームセンターで購入したSPF材でつくったタオル掛け。部屋の雰囲気に合わせて、新しい木を汚したり傷つけたりしてユーズド感をだしています。タオル掛けの隣にあるのは、ガス管でつくったトイレットペーパーホルダーです。予備のトイレットペーパーを3つまで掛けられます。
バスルーム
バスルーム扉のピクトグラムはichi976.craftworksさんの手づくりです。毎日お風呂に入るのが楽しみになりそうな、可愛らしいデザインです。
6.空間ごとのポイント~玄関・廊下~
玄関
一軒家で育ったichi976.craftworksさんは、マンションの収納スペースの少なさに愕然としたそうです。部屋の中にスペースを見つけては、収納場所として利用できないか考えるようになりました。玄関に関しては、奥さまの要望を取り入れながら収納重視のセルフリノベーションをしています。
・セルフリノベーション1:傘立て
家族4人分の傘と「書き方教室」にやってくる生徒さんの傘が収納できるように考えられた傘立て。大容量でもスペースはとらないように、スリムな設計です。
・セルフリノベーション2:靴箱下の収納
空きスペースの有効活用で、靴箱下には木製のボックスをつくっています。中には子どもたちが外遊びに使う道具をしまっています。
廊下
後編は、今の部屋をつくっていく過程やichi976.craftworkさんのライフスタイルについてご紹介します。