「VANLIFE(バンライフ)」という言葉をご存知でしょうか。アウトドアに馴染みのない方でも、キャンピングカーは見たことがあるという方も多いかと思いますが、実は今、バン(車)を暮らしに取り入れたライフスタイルが欧米をはじめ世界で大きな広がりを見せています。
新型コロナウイルス感染症の影響により、住まいや働き方への価値観が変わりつつある昨今。時間や場所を問わずに働ける仕事をしながら、全国各地にある車中泊スポットで寝泊まりするバンライフスタイルは、若い世代から中高年までじわじわと浸透しはじめています。
今回は、LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜にて開催されたバンライフフェスにて、新しいライフスタイルにチャレンジする人々にお話を伺ってきました。
1.不動産でなく、「可」動産
バンライフとは、車(バン)を生活の中心に取り入れたライフスタイルを指します。その定義は幅広く、完全にバンの中で生活する人や、家を持ちながらときおり車中泊をする人、バンを友人との交流の場にする人など、ライフスタイルに応じた多様な楽しみ方があります。
▶関連記事:Make a good Life! vol.1| バンの内装をフルDIY!理想のバンライフで仕事と暮らしがリンクする(鈴木大地さん)
2.withコロナ時代におけるイベントのあり方とは
多拠点コリビングサービスLivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜(以下、LAC八ヶ岳)のプロデューサーである渡鳥ジョニーさんにお話を聞きました。
Q.今回のイベント開催の経緯を教えてください。
Q.オフグリッドの構想はいつからありましたか?
Q.ジョニーさんご自身がバンライフの先駆者として活動されている印象がありますが、オフグリッドを意識しはじめたきっかけは何だったのでしょうか?
ただ、バンの中で一日中過ごすわけではなく、コワーキングスペースなどのシェア設備を使いつつ、移動手段や就寝場所としてバンを使っていましたね
Q.ここ数年でバンライフに取り組まれる方が増えてきていることに対して、どう感じていますか?
Q.コロナ禍でのイベント開催について、不安はありませんでしたか?
Q.今後のイベント開催の展望などあれば、教えてください。
3.参加者の十人十色なバンへのこだわり
バンと一言にいっても、そのこだわりはオーナーによって多種多様。部屋のインテリアと同じように、ライフスタイルや好みにあわせて内装をDIYしたり、設備をカスタムされる方も。所有したあとのカスタマイズ性の高さも、バンライフの醍醐味です。
イベントに参加された方に、ご自身のバンのこだわりや工夫をお聞きしました。
暮らしのカルチャーが融合する、新しいバンライフの実現
奥はる奈さん(左)渡鳥ジョニーさん(右)
車種:1987年型メルセデス・ベンツ・トランスポーターT1 307D
LAC八ヶ岳の中心メンバーとして活躍されるお二人は、これまでご夫婦でバンライフを営んでこられました。夫妻が取り組む「移動×食」の可能性を追求するアートプロジェクト“Van à Table”にも注目。
Q.バンの内装へのこだわりを教えて下さい。
住まいの良さ、カルチャーを反映させたいというジョニーさんの言葉通り、バンの内装は部屋と見間違えるほどシンプルでシックな雰囲気。「ニューノマド」をコンセプトに、北欧モダン調にしつらえたインテリアは、はる奈さんが担当されています。
就寝時間と日中の活動時間との区切りをつけるため、ベッドは収納式に。マットレスはコアラマットレスのセミダブルサイズを採用。
お二人の柔らかい雰囲気が、バンの内装にも表れているようでした。
過ごしやすさを追求し、辿り着いたバンライフスタイル
小島利恵さん親子
車種:シボレー アストロ タイガー4WD
以前「VAN LIFE(バンライフ)」特集でもご紹介した、大工の鈴木大地さんに内装施工の依頼をされた小島さんご家族。なんとイベント当日が施工後のバン引き渡し日とのことで、その場に立ち会わせていただきました。
Q.子育てや教育に関する講演で、全国各地を飛び回っている小島さん。バンライフを始めたきっかけはなんでしたか?
Q.どんなきっかけで鈴木さんに施工を依頼されましたか?
椅子の部分を拡張することで、就寝時はベッドとして使用することが可能に。
Q.バンライフの良さはどんなところでしょうか?
活躍の幅が広がるきっかけとなったバンライフ
菅原恵利さん
車種:スズキ ハスラー
チャンネル開設からわずか1ヶ月弱で登録者数4万人を突破した、バンライフ女子YouTuber「えりキャン△」こと菅原恵利さん。現在はLAC八ヶ岳のアンバサダーとしても活躍されています。
海外でアドレスホッパーの経験もある菅原さん。海外渡航前も、半年前後で引越しするというひとつの場所に定住しないライフスタイルを送られていたそう。
バンライフにおける女性ならではの苦労や大変さ、楽しさを発信する動画は人気が高く、今後も目が離せないバンライファーのひとりです。
菅原さんの愛犬、ラテくん。イベント当日参加していた他のわんちゃんと一緒に元気いっぱい遊んでいました。
箱根の良さを発信しながら夫婦で営むバンライフ
竹尾貴美さん(左)竹尾きよ子さん(右)
車種:MAZDA BONGO VAN
2016年に箱根に移住し、カスタマイズしたバンでバンライフを送る竹尾さんご夫妻。当初はキャンピングカーを探していたそうですが、値段が高くあえなく断念。偶然、海外のバンライファーが発信する動画をきよ子さんが見つけ、貴美さんがバンの調査や内装まで手がけられたそうです。
カスタマイズしたバンがあるからこそできる過ごし方や、箱根のおすすめスポットやショップ情報などをご紹介されているYouTubeチャンネル「箱根移住夫婦の「休日バンライフ」」は必見です。
バンの内装は、きよ子さんがイメージしたものを伝え、貴美さんが施工されているそう。明るい色の木材を天井から床まで全面に使った内装は、まるでカフェにいるような明るくひらけた空間に。
どんな場所にも優しく馴染むクリーム色の車体。実は塗装はご主人のDIY!内装から外装まで、お二人のこだわりが隅々まで感じられるバンでした。
機能性抜群のバンを使いこなす、アウトドアスタイル
重冨健一郎さん
車種:フォルクスワーゲン T4 ユーロバンキャンパー
都内広告代理店にて、CEOとして活躍されている重冨さん。以前より登山やアウトドアが好きで、バンは2年前に購入されました。
バンの車体上部には、ポップアップするルーフが。サイズ感も大きく、ルーフ部分と車内に分かれて、大人でも快適に就寝できる空間になっています。車体後方左側には、なんとシャワー機能も。登山やサーフィンをされる方にはありがたい設備ではないでしょうか。表に出されているキャンプ用品も、バンの雰囲気にぴったりの素敵なアイテムばかりでした。
キッチン機能が充実している内装には、なんと2口ガスコンロも完備。これだけ機能性が高ければ、バンの所有には高い維持費がつきもの。しかし、それを上回るほどバンの魅力に取り憑かれているそうです。
アウトドア歴30年、こだわりがつまったキャンプスタイル
大塚 庸兵さん
車種:トヨタ ハイラックス
都内企業に勤務されている大塚さん。幼少期のボーイスカウト経験から始まったアウトドア好きが高じて、3年前にピックアップトラックを購入されました。
車体の上に展開されているテントはクイーンサイズのベッドほどの大きさ。アウトドアの際は、ご家族全員で川の字になって寝ることができるそうです。テントの支柱部分に使用しているボルトは輸入品。細部までこだわりが徹底されていました。
見事なまでのキャンプ用品のバリエーションの豊富さも、大塚さんのアウトドア歴の長さを物語っていました。
バンシェアを通じて、快適な移動と感動体験を提供したい
Carstay株式会社 CSO 岩本舜夫さん
車中泊仕様のバン保有者と、バンライフを楽しみたいドライバーのマッチングサービス「バンシェア」を運営するCarstay株式会社。
キャンピングカーは年間95%が遊休状態にあり、遊休期間中、保有者が自身のキャンピングカーをシェアすることで、収入を得て、車の維持管理費などに充てることができると考え、同サービスの開発を進めることに。
現在(2020年8月時点)、サイト上には50台弱のバンやキャンピングカーが掲載されています。通常のシェアサービスと比較すると、同社サイトは24時間あたりの料金が1万円台からと比較的手の届きやすい金額。いきなりバン購入は難しいが、特定の期間だけバンライフを試してみたいという人にはうってつけのサービスではないでしょうか。
ステイホーム(車中泊)しながらの移動が叶えられるバンライフは、withコロナ時代におけるアウトドアのアイコンとして、より一層盛り上がりが期待できそうです。
家族で楽しめるバンライフの魅力
Carstay株式会社 CMO 田端信太郎さん
同社CMOへの就任がバンライフフェス終了後に発表され、当日のイベントにも、キャンピングカーでお子さまとご一緒に参加されていた株式会社ZOZO 元執行役員の田端信太郎さん。
バンライフには興味があり、キャンピングカーの展示場にも足を運ぶほど。田端さんのCMO就任により、これからバンシェア拡大のさらなる後押しが期待できそうです。
4.イベントの様子
5.イベントの多方面で感じられた、オフグリッドの力
イベント会場には、次世代ポータブル電源「EFDELTA」があちこちに完備。照明からポットの湯沸かし、なんとテスラの充電までこの一台でできるという優れもの。
2日目の朝食メニューには、尾西食品株式会社の「アルファ米」シリーズが配布され、4種類の味の中から好みの味を選ぶことができました。お湯で約15分、水で約60分でふんわりしたご飯やお粥を作ることができ、常温でなんと5年もの保存が可能とのこと。
保存食特有のパサパサ感もなく、会場からは美味しい!という声があがってました。
どちらもバンライファーには欠かせないアイテムとなりそうです。
6.LivingAnywhere Commonsについて
今回のイベントの舞台となったLivingAnywhere Commonsは、全国7拠点(※)に展開している多拠点コリビングサービス。
※2020年8月時点
場所やライフライン、仕事など、あらゆる制約にしばられることなく、好きな場所でやりたいことをしながら暮らす生き方(LivingAnywhere)の実践を提唱している。
同サービスのメンバーになることで、日本各地に設置したLivingAnywhere Commonsの拠点の共有者となり、仲間たちと共生しながら、自宅やオフィスにしばられないオフグリッド生活を体感、理想のLivingAnywhereを実現するための技術やアイデアの共創、刺激に満ちた環境に身を置くことができる。
今後も長期化が予想される新型コロナウイルス感染症。時代の変化に無理なく適応した、新しい生活スタイルの確立が求められています。
これまでの暮らし方や働き方を見直し始めた今だからこそ、バンライフは選択肢の1つとして、大きな可能性を秘めていると感じました。
■LivingAnywhere Commons 八ケ岳北杜
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写真提供:
Hiroki Hayakawa
松尾颯
沼田汐里