何かに夢中になっている人は魅力的です。たとえそれがいき過ぎた愛だとしても。
抑えきれない愛を詰め込んだ部屋にお邪魔して、その人のこだわりのライフスタイルを探る企画「あの人の偏愛部屋」。
第8回は、会社員大内さんの「洋服愛が過ぎる部屋」です。
洋服を着せたトルソーのあるリビング。その一角には、100着を超える洋服がアパレルショップのように並べられています。
インナーを選んでからボトムス、アウターを決め、靴やアクセサリーのスペースに移動していく動線設計がお見事。その合理的な収納には、忙しい朝でも短時間で洋服をコーディネートするための工夫が見られます。
「いつも見えるところに洋服を置いておきたい」と話す大内さんの、洋服愛を探ってみました。
1.きっかけは大学時代に通った渋谷の街
大内さんが通っていた大学は、渋谷の近くにありました。街にひしめくアパレルショップへ出入りを繰り返するうちに、大内さんの洋服愛は次第に盛り上がっていったようです。
「大学時代に洋服を好きになったので、洋服愛歴は18年くらいですね」と笑う大内さん。洋服愛に目覚める前はどちらかといえばインドア派で、ゲームをして1日を過ごすこともあったそう。洋服に興味を持ってからは、週1~2回は渋谷へ足を運ぶようになりました。
洋服の好みに合わせて部屋のコンセプトも変化。ボーダーなどマリン系のアイテムを多く着ていた時期は、西海岸風の部屋にしていたそうです。現在はカーキや黒を多く取り入れ、アウトドア系な雰囲気を演出しています。
洋服の魅力は気分を上げてくれるところ
2.物がたくさんある部屋をきれいに見せる収納
テレビ側の壁にはフェイクグリーンと雑貨、反対側の壁にはハンガーに掛かった洋服がずらりと並びます。雑貨屋さんとアパレルショップが合体したような空間に、見ているだけで心躍ります。
「物があふれている感じの部屋が好き」と話す大内さん。物が多くても、ショップのようにきれいに見せるコツは「同じような色のアイテムを近い場所に置くこと」と教えてくれました。
洋服スペースの収納
洋服を取り出しやすくするためには、アイテムで分ける方法が有効だそう。大内さんの場合は、インナーとズボンをたたんで収納し、アウターとショーツをハンガーに掛けて収納しています。
クローゼットの奥に収納しているのは、あまり使わない洋服類。ラックの上部にあるボックスにも、登場回数の少ない洋服たちが眠っています。頻繁に使うものはすべて、リビングの洋服スペースに置いています。
収納ケースのラックには、厚みがないスリムタイプのハンガーを使用。金属素材のハンガーは、ミリタリーな洋服類と相性がいいようです。
持ち運びできるキャビネットはGENERAL SUPPLY(ジェネラルサプライ)のもの。フランス軍がキャンプ地を移動しながら使っていたものをイメージしてつくられています。持ち運び用ということもあり動かしやすく、どこにでも置いておけそうです。
リビング・ダイニングの見せる収納
室内にいながら、キャンプをしているような感覚が味わえる空間です。芝生を思わせるグリーンの絨毯と壁にあしらったフェイクグリーンが、自然に囲まれたキャンプ場を連想させる雰囲気をつくり、アウトドア感を盛り上げています。
アウトドア系の洋服を着せたトルソーを設置しているところに、大内さんの洋服愛が感じられます。
ダイニングはアウトドアを意識したテイストなため、トルソーの衣装もアウトドア寄り。snow peak(スノーピーク)のTAKIBI Vest(焚き火ベスト)を着せて、ダイニングで焚き火をしているイメージを演出したそうです。
大内さんの言う「個人的な好み」とは、デニム地のアイテムのこと。カーテンや小物など、所々にデニム素材を取り入れています。
リビングの窓に吊るしているのは、デニム地のカーテンとタペストリー。テレビの後ろには、デニム地の小物入れとクマのぬいぐるみが飾ってあります。
デニム好きの大内さんは、デニムそのものを窓のところにS字フックで吊るしていた時期もあったそう。
3.いつでも洋服を眺められる配置がベスト
洋服をリビングに置くにあたり気をつけているのは、キッチンからなるべく遠い位置に洋服スペースをつくること。食べ物のにおいが移ったり、ほこりが立ったりするのを防ぐためです
好きなブランドを紹介
好きなブランドとして名前が挙がった『ENGINEERED GARMENTS(エンジニアドガーメンツ)』は、ニューヨークを拠点とするセレクトショップNEPENTHES(ネペンテス)から生まれたオリジナルブランドです。
「2020年の春に着たい洋服」というテーマで、好きなブランドのアイテムを含めたコーディネートを披露してくれました。
カジュアルな装いに合わせた革靴が上品さを感じさせます。インディアンジュエリーのネックレスが、スパイスのような個性を添えています。
大内さんは、このコーディネートを着て買い物に行きたいと話してくれました。暖かくなってきた春先に汗ばんで上着を脱いでも、ボーダーとベストの組み合わせがオシャレに見せてくれそう。上着を脱いだ場面まで考慮した、完璧なスタイリングに感心するばかりです。
今後欲しいもの
写真のアウターは大内さんの奥さまのもの。Barbourの魅力は長く使えることだと大内さんは話します。今後は長く付き合っていける定番のアウターを手に入れ、大切に使っていきたいそうです。
4.洋服が生き方を変えてくれた
洋服を愛してやまない大内さんですが、ここ数年で購入した洋服はかなり減ったそうです。
購入する数は減っても、休日はもちろん平日でもわずかな時間を利用して、洋服を見に行くという大内さん。「好きなので、つい目に入ってしまうんですよね」と笑います。
■プロフィール
大内陽太郎さん
Instagram:@krowlabolg.g.g
会社員
千葉県千葉市
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