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ダークブラウンに魅せられて。色にこだわり、模様替えを繰り返してたどりついた理想の空間|こだわりの部屋づくりvol.32

目次

お気に入りの家具やインテリア、DIYやカスタマイズ、賃貸でも購入物件でも自分らしさに妥協したくない。そんな部屋づくりにこだわった人たちを紹介する「こだわりの部屋づくり」シリーズ。

今回ご紹介するのは、東京都世田谷区にお住まいのsakiさんのお部屋です。
お仕事柄、色に強いこだわりを持つsakiさんは、床の「ダークブラウン」に惚れ込んで引越しを決めました。綿密な計画を立てて模様替えを繰り返しながら、理想の部屋を追求しつづけています。寝る・くつろぐ・働くという生活リズムに合わせて空間を分けたかったと話すsakiさん。部屋づくりの過程や配色のコツ、家具の選び方などをご紹介します。

1.床のダークブラウンを基準に家具を揃えて落ち着いた空間に

ダークブラウンのバッグと床

18歳から一人暮らしを始め、東京に引越してから今の物件が3件目というsakiさん。買い物に便利な商店街やお酒を飲めるお店が多く、知人も周辺に住んでいるエリアに、賃貸物件の更新のタイミングで引越しました。

この部屋を選んだ決め手は、床の色です。ウォールナットの温かみのある重厚な色味が好きなsakiさんは、ダークブラウンの床が気に入ったそうです。

明るい色より、ダークブラウンが好きなんです。この部屋は床だけでなく、扉などもダークブラウンに統一されているところが好きです

また、フローリング1枚の幅が広く、今まで住んでいた部屋とは雰囲気が違っていたこと、ベランダから空が見えて景色に圧迫感がなかったことも決め手となりました。

大好きなダークブラウンに合わせて部屋をつくる

系統が揃っている部屋

sakiさんは床のダークブラウンを基準に、茶系統や木の質感にこだわって家具やアイテムを選んでいます。

誰かに見せるためというより、自分がいて落ち着ける部屋にしたくて。明るい茶色よりもダークブラウンのほうが、帰ってきたときや目が覚めたときに気分が落ち着きます

間取りは7.5畳の1Kですが、圧迫感がなく広々として見えるのは、家具の色や高さを工夫しているから。

寝具を白にして、光の反射で部屋を明るく見せたり、背の低い家具を選んだりしています
壁際に濃い色の家具を置くと部屋が狭く見えるので、テレビ台はライトベージュのものに買い替えました。白い壁との違和感が少なくなり、部屋を広く感じるようになりました

テレビ台も茶系統なので、床のダークブラウンともマッチしています。

2.お気に入りのアイテムはフラワーベースとペルシャ絨毯風カーペット

変わった色・形のフラワーベースを集めるのが趣味

変わった形のフラワーベース

sakiさんのお気に入りのアイテムは、変わった色や形のフラワーべース(花瓶)です。

ドライフラワーも好きでわりと買いますが、フラワーベースではなく普通の花瓶に挿しています。フラワーベースは色や形にこだわり、あくまでインテリアとして飾っています

憧れのペルシャ絨毯風カーペットも床の色に合わせて選ぶ

ペルシャ絨毯

ペルシャ絨毯みたいな柄のカーペットにずっと憧れていたというsakiさん。この部屋に引越してからようやく購入しました。お気に入りのフローリングもしっかり見せられるよう、サイズは130cm×190cmのものを選びました。淡い緑を基調とした落ち着いたデザインで、床の色にもマッチし、部屋全体が明るく見えます。

人とかぶるのが嫌で、ペルシャ絨毯風の珍しい柄のものを探しました。床のダークブラウンとも合うし、高級感があって気に入っています

3.空間ごとのポイント

寝る場所、くつろぐ場所、仕事の場所を分けたかったんです

部屋の奥には「寝る」スペースとしてベッドを置き、部屋の中央にはテレビ台・ローテーブル・ソファを置いて「くつろぐ」スペースにしました。入り口側には仕事用のデスクを配置して「働く」スペースに。家具の配置を工夫し、うまくテーマごとに空間を分けています。

それぞれの空間のポイントをご紹介します。

ベッドは圧迫感がないものを選ぶ

ベッドルーム

寝具を白にし、窓から入る光を反射させることで、部屋全体が明るくなりました。しかし、白だけではダークブラウンの部屋に合わないと感じ、茶系統のクッションをベッドに置くことでバランスを取っています。

また、収納機能付きのベッドは好きではないというsakiさん。圧迫感をなくし部屋を広く見せるため、背が低いベッドを選びました。

ベッドと収納はきちんと分けたいです。基本的に、物は見えるところに置かず、クローゼットにしまうことを意識しています。床に何もないほうが掃除もしやすいです

シェルフは実用性を兼ねた見せる収納

ベッドの足元にはシェルフを置いています。仕事関係の書類は下段や窓際に収納し、ベッドや観葉植物で見えないよう隠したり、古雑誌を立てて見せる収納にするなど工夫をしています。

シェルフ

上段には趣味のフラワーベースやドライフラワーなど、インテリアを置いています。気分に合わせて変えることも多いそうですが、アクセサリーやメイク道具をしまっている引き出しは、上から2段目と決まっているとのこと。

自分の動線を考えたときに、手に取りやすく戻しやすい場所なんです。アクセサリーとコスメの2つの置き場所は絶対に変えず、いつも同じ高さに配置しています

テレビはベッドからあえて見にくい角度に

ベッドとテレビ台

ベッドの横にテレビを置き、あえてベッドにいると見づらい配置にしていました。そうすることで、寝る空間とくつろぐ空間をしっかりと確立させることができるからです。

就寝前にテレビを見てしまうと朝起きられないので、そういった意味でもベッドの横にテレビを置く配置は気に入っています
テレビの横には、ドライフラワーやフラワーベースを飾っています。テレビを見ている間も、部屋の雰囲気が目に入ってくると落ち着きます

ソファとローテーブルでくつろげる空間を

ソファ

sakiさんは最初、1Kの間取りにソファを置くとスペースを圧迫するのではないかと考え、購入しないつもりだったそうです。しかし、生活の大部分をベッドで過ごすことが増えてしまい、寝る場所とくつろぐ場所を分けるためにもソファが欲しいと感じるようになりました。

いろいろ探した結果、背が低くてゆったりと座れる1.5人掛けのソファを購入。キャメルブラウンの色味に一目惚れしたといいます。

この色をずっと探していました。グレーや茶色ではなく、キャメルにこだわっていたんです。革風の素材も気に入っています

ローテーブル

ソファの前にある円形のローテーブルは、最近購入したばかりのもの。もともとは横長のローテーブルを使っていましたが、食事や作業などは仕事用のデスクを使うことが多く、大きなテーブルは必要ないと感じて買い換えました。

ちょっとくつろぐときにコップや食器が置けるくらいのものが欲しくて、サイズの目星だけをつけてインターネットで探しました。円形を選んだのは、四角よりも圧迫感がないからです。部屋に四角い家具が多かったので、円形の家具を取り入れたことで変化を出せました

映画を見たり、漫画を読んだり、お酒を飲んだりしてくつろぐときは、このソファに座っていると心地いいとのこと。仕事で絵を描くときはデスクを使いますが、趣味の絵はソファに座って描きます。壁に飾っている絵は、ソファで描いたものが多いそうです。

仕事用のデスクは機能性重視

機能性重視のデスク

仕事用のデスクは、部屋の入り口側に配置しました。夕日が差し込んでもパソコンの画面が見えにくくならないベストポジションです。最初はオシャレな椅子を使っていましたが、今は機能性を重視した仕事用の椅子に買い替えました。

デスクの天板には木目調のシートを貼ってDIYしています。もともとは柄のないただのダークブラウンの天板でしたが、木の質感を生かした家具が多いこの部屋では浮いてしまっていたそうです。

仕事中も、好きな色、好きなものに囲まれていたいんです

4.部屋づくりの過程

sakiさんは、この部屋に引越してからダークブラウンの床に合うよう、ほとんどの家具を買い替えました。昔から模様替えが好きで、この部屋でもすでに5回以上模様替えをしています。理想の空間を追求するsakiさんの部屋づくりの過程をご紹介します。

部屋づくりの過程1:家具選びは大きなものから順番に

ベッド

この部屋に引越して最初に購入したのは、ベッドフレームでした。一人暮らしの部屋だと広い面積を占めるベッドは、部屋の主役ともいえる存在。もともと「こんなベッドフレームがいい!」という理想があり、イメージどおりのものを購入できたそうです。

ベッドフレームの次はシェルフ、テレビ台の順に購入。しばらくして生活が落ち着いてから、ソファとデスクをじっくり選びました。

大きくて目につくものから購入しました。そのほかの家具やアイテムは、生活に合わせて買い揃えていきました

sakiさんには、家具を購入するときのルールがあります。それは「欲しいものがあっても、色が合わなければ買わない」ということ。
自然な雰囲気の茶色、特にダークブラウンに強いこだわりがあるsakiさんは、どんなに魅力的なアイテムも、部屋に合う色がなかったときは欲しいという気持ちがリセットされるそうです。

今使っている家具はどれもお気に入りです。次に引越したとしても使いたいと思えるものを購入しました

部屋づくりの過程2:模様替えを繰り返し、理想の配置を追求

リビング

中学生くらいから、部屋の模様替えが好きだったというsakiさん。デザインの仕事をしていることもあり、パソコン上で部屋の間取りと家具の配置を綿密にシミュレーションしてから模様替えに取りかかります。

模様替えをしたくなると、寝れなくなってしまうんですよね。寝る前に『この位置を変えたいな』と思いついたら、そのまま朝まで考え続けたり…

過去には、ベッドを部屋の入り口側に置いたこともあるそう。ベランダに続く窓がさえぎられず、部屋が1番広く感じたといいます。ただ、部屋の広さや形に合っていなかったため、配置を戻してしまいました。

今の配置は、寝るスペース・くつろぐスペース・働くスペースと生活空間がきちんと分けられており、ベランダにも出やすいので気に入っているそうです。sakiさんは模様替えをするとき、家具と家具をあまりくっつけず、間を広く取ることを意識しています。

部屋が狭いな、と感じたら配置を変えています。広く見えるようにということを1番に考えていますね

部屋づくりの過程3:「足りないものは自分でつくる」のが部屋づくりの楽しみ

壁に掛けられた絵

デザイン関係のお仕事をしているsakiさんは、自分で描いた絵を部屋に飾っています。「ここにこんな絵があったらいいな」という理想の絵になかなか出合えず、自分で描くようになになりました。

大ぶりの絵だと圧迫感が出てしまうため、小さめのデザインのものを飾っています。フレームと絵の間の空白も考えて、部屋が広く見えるよう気をつけています

白と黒がベースの絵

白と黒がベースの絵が多いのは、統一感を出しやすく部屋の雰囲気になじむから。

絵は気分で替えています。梅雨の時季は傘をモチーフにするなど、シーズンに合わせて替えることもあります

今後は観葉植物を増やしていきたい

ベッドサイドに飾られたドライフラワー
sakiさんが色やアイテムにこだわってインテリアを考えるようになったのは5~6年前から。しかし、当時と比べて趣味や好きなテイストは徐々に変化してきたといいます。この部屋に引越してからはフラワーベースやドライフラワーにはまり、最近では植物をインテリアの一部としてもっと取り入れたいと思うようになりました。

これから力を入れたいのは、植物関係ですね。ドライフラワーは常に2~3個部屋に置いておきたいです。けど、ちゃんと水をやってお花も育てたいですし、緑も増やしたいです。窓の前にも何個か並べたい!

sakiさんが好きなオーガスタ

オーガスタという観葉植物が好きで、今部屋に置いているのは2代目とのこと。小さな植物も育ててみたいと思い、オーガスタの次はポトスを部屋に迎えました。

ポトスには『永遠の富』という花言葉があります。実際にこれを飾りだしてからいろんな仕事をいただけるようになったので、これからも大事に育てようと思っています

5.これから部屋づくりを始めたい方へ

ベッドルーム

sakiさんは、家具を買う前は時間をかけてじっくりリサーチするとのこと。これから部屋づくりを始めたい方に向けて、自分の好きな色やテイストにこだわることの大切さを話してくれました。

せっかくやるんだったら、こだわったほうがいいですね。値段は安くても、いいものはたくさんあります

sakiさんはまず、Instagramやインテリア情報サイト、DIYした家具を購入できるアプリなどを通してさまざまな部屋や家具をみました。気に入ったものはたくさんスクリーンショットを撮って保存してます。集めた情報をいったん寝かせてから、日を改めて候補を絞っていく…という感じで、徹底的に調べてから購入するそうです。

以前住んでいた部屋では、賃貸契約更新のタイミングで引越したくなっていたというsakiさんですが、現在住んでいる部屋は契約を更新したそうです。お気に入りの部屋で、色にこだわって家具を選び、これからも理想の空間を目指して模様替えを楽しみたいそうです。

■プロフィール
sakiさん
Instagram:@ski_kjm
仕事:デザイン関係
エリア:東京都世田谷区
間取り:1K