ライフスタイル

ぬくもりと色合いを存分に楽しむ!木彫りの置物愛が過ぎる部屋|あの人の偏愛部屋 vol.5

目次

なにかに夢中になっている人は魅力的です。たとえそれがいき過ぎた愛だとしても。
抑えきれない愛を詰め込んだ部屋にお邪魔して、その人のこだわりのライフスタイルを探る企画「あの人の偏愛部屋」

第5回はオカタオカさんの「木彫りの置物愛が過ぎる部屋」です。
ベージュや茶色、白などの控えめな色でまとめられた室内の一角。木彫りの置物が、美術館の展示のように美しい配置で飾られています。置物の種類はさまざまで、流木でつくられたものやカラフルに塗られた海外のもの、有名作家の貴重な作品などがあります。「こうしたものが部屋にあると落ち着く」と話すオカタオカさんに、木彫りの置物の魅力を聞きました。

1.きっかけは、大学時代のバックパッカー経験

コレクションを置く飾り棚オカタオカさんは、学生時代から民芸品やフォークアートに魅力を感じていたそうです。バックパック1つでインドやアジア各国を旅するうちに、旅先で目に留まった民芸品を購入するようになりました。

本格的に民芸品を集めるようになったのは、24~25歳くらいのときでしょうか。海外で購入したものも多いですが、最近は海外に行く時間がなかなかとれないので、国内の古道具屋で購入することが多いです
大学生のときはアジアに興味がありましたが、卒業後はアメリカやメキシコのカルチャーに興味が出てきました。現在飾っている木彫りの置物のなかにも、メキシコのものがたくさんあります

木彫りの置物の魅力は、手づくりのぬくもり

コレクションと観葉植物置物を選ぶときは、ほとんどが一目ぼれだそうです。手づくりならではのぬくもりが最大の魅力だと熱く語るオカタオカさん。現地の人や職人が丁寧に手づくりした作品の優しい質感に、あたたかみを感じるのだとか。

2.ポイントは「色合い全体のバランス」

「部屋のコンセプトは特に決めていない」と言うオカタオカさんですが、部屋全体の色合いには気を配っています。落ち着いたトーンの色が好みで、置物も基本的にはそういった色のものを選ぶようにしているそうです。もちろん、例外もあります。

派手な色の置物をかわいいと感じることもあります。そういうものを購入した場合は、別のスペースに置いたり、少し離して置いたりすることで、色のバランスをとります。飾りきれていない絵もあるので、たまに入れ替えながら全体のバランスを考えています

リビング

リビングに飾った木彫りの置物リビングには、ここ5年くらいのうちに購入したものを主に飾っています。北アメリカやカナダ、アラスカ、メキシコ、ペルーなど、さまざまな国のコレクションが混在していますが、配置のルールを細かく決めないのがオカタオカさん流。

ルールを決め過ぎると楽しく取り組めないので、細かいことは気にしすぎないよう心がけています

トーテムポールの置物は左上にまとめましたが、その他は国も形も色もランダムに飾っています。木のぬくもりや全体の色合いが揃っているため、違和感なくマッチしています。
ヘラジカの置物流木アート壁に飾られたヘラジカと、窓際で咆哮する狼はいずれも流木アートで有名な彫刻家・山根大典さんの作品です。観葉植物とコレクション自然な木の色を生かした作品を、観葉植物の緑が引き立たせています。植物の分量や置物の間隔などに表れる絶妙なバランスから、イラストのお仕事をされているオカタオカさんのセンスが感じられます。DIYした飾り棚ちょっとした空きスペースを見つけては、棚をつくって置物を飾る徹底ぶり。オカタオカさんは、約100個所持している大切な置物を、これからも「もっと楽しみたい」と意気込みます。

この家は、DIYをしてもいい物件なんです。できるだけスペースをつくって、まだ飾りきれていない置物もどんどん飾っていきたいです

玄関

メキシコの工芸品「生命の樹」落ち着いたトーンでまとめられていたリビングルームとは雰囲気がガラリと変わり、玄関には明るいカラーの置物が並びます。

鮮やかなブルーがひときわ目を引く燭台は、「生命の樹」というメキシコの工芸品。スペイン人によって持ち込まれたキリスト教の教えを、メキシコの人々が独自の感覚で表現したものです。樹の下にはアダムとイブの姿があります。玄関に飾られたコレクション

壁の色に合うような、明るい雰囲気の置物を選びました。置物に合わせた空間をつくるのではなく、空間に合わせた置物を選ぶようにしています

寝室

寝室の収納スペース現段階で飾りきれない置物は、寝室にある収納スペースにしまっています。寝室に飾ることも考えたそうですが、ほこりが溜まりやすいとの理由で断念しました。ベッドサイドのインテリアシンプルで過ごしやすい空間にするために、置物は厳選しました。ベッドサイドにはぬいぐるみや熊の置物などを置いています。

書斎

書斎のインテリア壁に飾ってあるのは、アフリカ・バウレ族のお面。日本の古道具屋で購入しました。和室の長押(なげし)や柱の雰囲気に、素材の質感や色合いが絶妙になじんでいます。テーブル周りのインテリア

仕事がしやすい部屋にしたかったので、テーブルは極力シンプルにしています

3.お気に入りは、柴崎重行さんの木彫り熊

飾り方のポイントはバランス感覚

木彫りの置物をバランスよく飾るポイント形や大きさが違う置物をきれいに飾るポイントは、抜け感を意識することだと言います。オカタオカさんは棚を飾った後、距離をとって眺めてから配置の調整をしているそうです。一度納得しても、日がたつにつれて違和感を覚えることも。均整の取れたリビングの飾り棚は、オカタオカさんが何度も修正してつくりあげた賜物です。

柴崎重行さんの木彫り熊

オカタオカさんが気に入っている作品は、芸術家・柴崎重行さんの木彫り熊です。柴崎さんは、埼玉県から木彫り熊発祥の地である北海道の八雲町に移住して、木彫り熊を制作し続けた作家。今は亡き柴崎さんの作品は、大変貴重なものとなっています。柴崎重行さんの木彫り熊

丸みのあるフォルムが好きです。希少なものなのでこれしか持っていませんが、柴崎さんの作品はどれも大好きです。名古屋のCOMPASSという古道具屋で見つけて購入しました。八雲町に行ってもなかなか手に入らなくなってきている代物だと思います

有孔ボードを利用して、飾れる場所を確保する

有孔ボードに飾ったインテリア木の置物を飾っている有孔ボードは、前の家に住んでいた頃から使っているものです。壁に穴をあけず置物を飾れて、場所を自由に変えられるところが便利だそう。

置物をつくった人は、飾ってもらうことを想定して作品をつくったのだと思います。購入しただけで終わらせずに、作品がより映えるように飾る場所をDIYしています

有孔ボードの色を変えることを検討中

棚に飾られた木彫りの置物現在は飾り棚のみこげ茶色に塗っています。

前の家で使っていたときは、ボードを紺色に塗る予定でした。でも、今の家にはオイルを塗ってトーンを落とすくらいがちょうどいいかもしれません

今後欲しいもの

オカタオカさんとコレクション

次に買いたいのは、ヴィンテージのメキシコの“生命の樹”です。現行のものはすでに持っていますが、ヴィンテージのものは希少価値が高いため、値段が上がり続けているように思います。いつか手に入れたいです

4.木彫りの置物を飾って、落ち着く部屋をつくる

リラックスできるコレクション部屋木彫りの置物のある部屋で過ごすとき、オカタオカさんはあえて何もしないで過ごすことが多いそうです。仕事を忘れてお気に入りの置物を眺める時間は、オカタオカさんにとって至福のリラックスタイム。

音楽を聴いたり、ディスプレイを変更したり、コーヒーを飲んだりしながらゆったりします

ふとした瞬間にインスピレーションが湧いてくることもあるそうで、イラストレーターの仕事には欠かせない空間となっています。

愛する置物に囲まれた空間に身を置くことで、安心感を得たり心が落ち着いたりすると、穏やかな笑顔で話してくれました。

■プロフィール
オカタオカさん
Instagram:@okataoka
イラストレーター
東京都世田谷区
ファミリー