お気に入りの家具やインテリア、DIYやカスタマイズ、賃貸でも購入物件でも自分らしさに妥協したくない。そんな部屋づくりにこだわった人たちを紹介する「こだわりの部屋づくり」シリーズ。
今回ご紹介するのは、東京都世田谷区にお住まいのsakiさんのお部屋です。
お仕事柄、色に強いこだわりを持つsakiさんは、床の「ダークブラウン」に惚れ込んで引越しを決めました。綿密な計画を立てて模様替えを繰り返しながら、理想の部屋を追求しつづけています。寝る・くつろぐ・働くという生活リズムに合わせて空間を分けたかったと話すsakiさん。部屋づくりの過程や配色のコツ、家具の選び方などをご紹介します。
1.床のダークブラウンを基準に家具を揃えて落ち着いた空間に
18歳から一人暮らしを始め、東京に引越してから今の物件が3件目というsakiさん。買い物に便利な商店街やお酒を飲めるお店が多く、知人も周辺に住んでいるエリアに、賃貸物件の更新のタイミングで引越しました。
この部屋を選んだ決め手は、床の色です。ウォールナットの温かみのある重厚な色味が好きなsakiさんは、ダークブラウンの床が気に入ったそうです。
また、フローリング1枚の幅が広く、今まで住んでいた部屋とは雰囲気が違っていたこと、ベランダから空が見えて景色に圧迫感がなかったことも決め手となりました。
大好きなダークブラウンに合わせて部屋をつくる
sakiさんは床のダークブラウンを基準に、茶系統や木の質感にこだわって家具やアイテムを選んでいます。
間取りは7.5畳の1Kですが、圧迫感がなく広々として見えるのは、家具の色や高さを工夫しているから。
テレビ台も茶系統なので、床のダークブラウンともマッチしています。
2.お気に入りのアイテムはフラワーベースとペルシャ絨毯風カーペット
変わった色・形のフラワーベースを集めるのが趣味
sakiさんのお気に入りのアイテムは、変わった色や形のフラワーべース(花瓶)です。
憧れのペルシャ絨毯風カーペットも床の色に合わせて選ぶ
ペルシャ絨毯みたいな柄のカーペットにずっと憧れていたというsakiさん。この部屋に引越してからようやく購入しました。お気に入りのフローリングもしっかり見せられるよう、サイズは130cm×190cmのものを選びました。淡い緑を基調とした落ち着いたデザインで、床の色にもマッチし、部屋全体が明るく見えます。
3.空間ごとのポイント
部屋の奥には「寝る」スペースとしてベッドを置き、部屋の中央にはテレビ台・ローテーブル・ソファを置いて「くつろぐ」スペースにしました。入り口側には仕事用のデスクを配置して「働く」スペースに。家具の配置を工夫し、うまくテーマごとに空間を分けています。
それぞれの空間のポイントをご紹介します。
ベッドは圧迫感がないものを選ぶ
寝具を白にし、窓から入る光を反射させることで、部屋全体が明るくなりました。しかし、白だけではダークブラウンの部屋に合わないと感じ、茶系統のクッションをベッドに置くことでバランスを取っています。
また、収納機能付きのベッドは好きではないというsakiさん。圧迫感をなくし部屋を広く見せるため、背が低いベッドを選びました。
シェルフは実用性を兼ねた見せる収納
ベッドの足元にはシェルフを置いています。仕事関係の書類は下段や窓際に収納し、ベッドや観葉植物で見えないよう隠したり、古雑誌を立てて見せる収納にするなど工夫をしています。
上段には趣味のフラワーベースやドライフラワーなど、インテリアを置いています。気分に合わせて変えることも多いそうですが、アクセサリーやメイク道具をしまっている引き出しは、上から2段目と決まっているとのこと。
テレビはベッドからあえて見にくい角度に
ベッドの横にテレビを置き、あえてベッドにいると見づらい配置にしていました。そうすることで、寝る空間とくつろぐ空間をしっかりと確立させることができるからです。
ソファとローテーブルでくつろげる空間を
sakiさんは最初、1Kの間取りにソファを置くとスペースを圧迫するのではないかと考え、購入しないつもりだったそうです。しかし、生活の大部分をベッドで過ごすことが増えてしまい、寝る場所とくつろぐ場所を分けるためにもソファが欲しいと感じるようになりました。
いろいろ探した結果、背が低くてゆったりと座れる1.5人掛けのソファを購入。キャメルブラウンの色味に一目惚れしたといいます。
ソファの前にある円形のローテーブルは、最近購入したばかりのもの。もともとは横長のローテーブルを使っていましたが、食事や作業などは仕事用のデスクを使うことが多く、大きなテーブルは必要ないと感じて買い換えました。
映画を見たり、漫画を読んだり、お酒を飲んだりしてくつろぐときは、このソファに座っていると心地いいとのこと。仕事で絵を描くときはデスクを使いますが、趣味の絵はソファに座って描きます。壁に飾っている絵は、ソファで描いたものが多いそうです。
仕事用のデスクは機能性重視
仕事用のデスクは、部屋の入り口側に配置しました。夕日が差し込んでもパソコンの画面が見えにくくならないベストポジションです。最初はオシャレな椅子を使っていましたが、今は機能性を重視した仕事用の椅子に買い替えました。
デスクの天板には木目調のシートを貼ってDIYしています。もともとは柄のないただのダークブラウンの天板でしたが、木の質感を生かした家具が多いこの部屋では浮いてしまっていたそうです。
4.部屋づくりの過程
sakiさんは、この部屋に引越してからダークブラウンの床に合うよう、ほとんどの家具を買い替えました。昔から模様替えが好きで、この部屋でもすでに5回以上模様替えをしています。理想の空間を追求するsakiさんの部屋づくりの過程をご紹介します。
部屋づくりの過程1:家具選びは大きなものから順番に
この部屋に引越して最初に購入したのは、ベッドフレームでした。一人暮らしの部屋だと広い面積を占めるベッドは、部屋の主役ともいえる存在。もともと「こんなベッドフレームがいい!」という理想があり、イメージどおりのものを購入できたそうです。
ベッドフレームの次はシェルフ、テレビ台の順に購入。しばらくして生活が落ち着いてから、ソファとデスクをじっくり選びました。
sakiさんには、家具を購入するときのルールがあります。それは「欲しいものがあっても、色が合わなければ買わない」ということ。
自然な雰囲気の茶色、特にダークブラウンに強いこだわりがあるsakiさんは、どんなに魅力的なアイテムも、部屋に合う色がなかったときは欲しいという気持ちがリセットされるそうです。
部屋づくりの過程2:模様替えを繰り返し、理想の配置を追求
中学生くらいから、部屋の模様替えが好きだったというsakiさん。デザインの仕事をしていることもあり、パソコン上で部屋の間取りと家具の配置を綿密にシミュレーションしてから模様替えに取りかかります。
過去には、ベッドを部屋の入り口側に置いたこともあるそう。ベランダに続く窓がさえぎられず、部屋が1番広く感じたといいます。ただ、部屋の広さや形に合っていなかったため、配置を戻してしまいました。
今の配置は、寝るスペース・くつろぐスペース・働くスペースと生活空間がきちんと分けられており、ベランダにも出やすいので気に入っているそうです。sakiさんは模様替えをするとき、家具と家具をあまりくっつけず、間を広く取ることを意識しています。
部屋づくりの過程3:「足りないものは自分でつくる」のが部屋づくりの楽しみ
デザイン関係のお仕事をしているsakiさんは、自分で描いた絵を部屋に飾っています。「ここにこんな絵があったらいいな」という理想の絵になかなか出合えず、自分で描くようになになりました。
白と黒がベースの絵が多いのは、統一感を出しやすく部屋の雰囲気になじむから。
今後は観葉植物を増やしていきたい
sakiさんが色やアイテムにこだわってインテリアを考えるようになったのは5~6年前から。しかし、当時と比べて趣味や好きなテイストは徐々に変化してきたといいます。この部屋に引越してからはフラワーベースやドライフラワーにはまり、最近では植物をインテリアの一部としてもっと取り入れたいと思うようになりました。
オーガスタという観葉植物が好きで、今部屋に置いているのは2代目とのこと。小さな植物も育ててみたいと思い、オーガスタの次はポトスを部屋に迎えました。
5.これから部屋づくりを始めたい方へ
sakiさんは、家具を買う前は時間をかけてじっくりリサーチするとのこと。これから部屋づくりを始めたい方に向けて、自分の好きな色やテイストにこだわることの大切さを話してくれました。
sakiさんはまず、Instagramやインテリア情報サイト、DIYした家具を購入できるアプリなどを通してさまざまな部屋や家具をみました。気に入ったものはたくさんスクリーンショットを撮って保存してます。集めた情報をいったん寝かせてから、日を改めて候補を絞っていく…という感じで、徹底的に調べてから購入するそうです。
以前住んでいた部屋では、賃貸契約更新のタイミングで引越したくなっていたというsakiさんですが、現在住んでいる部屋は契約を更新したそうです。お気に入りの部屋で、色にこだわって家具を選び、これからも理想の空間を目指して模様替えを楽しみたいそうです。
■プロフィール
sakiさん
Instagram:@ski_kjm
仕事:デザイン関係
エリア:東京都世田谷区
間取り:1K