お気に入りの家具やインテリア、DIYやカスタマイズ、賃貸でも購入物件でも自分らしさに妥協したくない。そんな部屋づくりにこだわった人たちを紹介する「こだわりの部屋づくり」シリーズ。
今回ご紹介するのは、兵庫県在住のmasaomi40さんの部屋です。住み始めた当時はインテリアの知識もあまりなかったそうですが、2年半くらい前に「どうせなら自分の好きな部屋に住みたい」と思い立ち、少しずつ部屋づくりをしてきました。こだわりの喫茶店風カウンターは、趣味のコーヒーを楽しむのに最高の場所。「好き」を追求しつづけるmasaomi40さんの部屋づくりの過程や、100円ショップのアイテムをうまく取り入れるコツなどをご紹介します。
1.カウンターにこだわった「喫茶店風」のキッチン
masaomi40さんの部屋は1LDK。この部屋を選んだときには、部屋づくりに対して明確なコンセプトは持っていなかったそうです。しかし、内見で空っぽの状態の部屋を見たとき「ここにカウンターを置きたい!」と、強いイメージが思い浮かびました。
黒を基調としたインダストリアルな雰囲気のなかに、木の質感と赤みがかった色を取り入れています。カフェというよりも「喫茶店風」と呼ぶのがふさわしい、レトロで温かみのあるキッチンです。
黒い照明で大人っぽい雰囲気に
masaomi40さんはカウンターの上の空間が寂しいと感じ、黒いランプシェードの照明を3つ吊り下げました。その結果、昼と夜で印象が変わる大人っぽいキッチンに仕上がっています。
自炊はあまりしないというmasaomi40さんにとって、キッチンは「コーヒーを淹れる場所」。カウンター周辺にはコーヒー関連の道具を見えるように置くことで、喫茶店のような雰囲気を強調しています。
100円ショップのアイテムもフル活用
masaomi40さんは100円ショップのアイテムもたくさん取り入れています。実際にアイテムを見ることで、アイデアやインスピレーションがわくことも多いそう。キッチンの至るところに、masaomi40さんのセンスとアイデアが光っています。
たとえば、コーヒーミルを洗うブラシといった小物を、100円ショップで購入したドリンクホルダーとキャニスターを組み合わせてきれいに収納できるようにしました。無機質になりやすいレンジフードも、100円ショップで購入したランチョンマットをマグネットシートで貼り付ける工夫をしてます。
換気扇フードの下には調理道具を吊り下げていますが、これも100円ショップで揃えたキッチンツールだそう。調味料は、生活感が出るものをカウンターの中に隠し、砂糖や塩などは100円ショップで購入した袋に入れてうまく目隠ししています。
2. お気に入りのアイテムは天板の厚みにこだわったカウンターと趣味のコーヒー道具
色味と天板の厚みにこだわったカウンター
部屋づくりの起点となったカウンターは、一番お気に入りのアイテムです。
店頭ではイメージどおりのものが見つからず、最終的にはインターネットで購入しました。
カウンターの椅子もインターネットで購入。ここで食事をするので、座り心地のよい椅子を探したそうです。
趣味のコーヒー道具はすぐ手に取れる場所に
コーヒーを淹れるのが趣味のmasaomi40さんは、コーヒーの道具をとても愛しています。カウンター内部にディアウォールで棚を取り付け、コーヒーカップや道具を置いています。
コーヒー道具の色味と質感にもこだわりがあり、ゴールドやブロンズで揃えています。特にサイフォン式コーヒーメーカーは、ゴールドとブラウンという珍しい色味なため、値段もかなりしたそうです。
一方、コーヒー道具以外のアイテムにはあまりお金をかけていません。インテリアとして飾っているフェイクグリーンや写真立ては、100円ショップで購入しました。色味を合わせることで統一感が出るように気を配っています。
3. 空間ごとのポイント
ウォールステッカーが映えるリビング
masaomi40さんは『ビターテイストのDIY&インテリア』という本を愛読しています。掲載されていたある部屋の住人が、Instagramで見かけたウォールステッカーの制作者と同一人物だと知り、驚いたそうです。
選んだステッカーをリビングの窓に貼るため、カーテンをやめてブラウンのブラインドにしました。さらに、カーテンレールボックスをDIYで取り付けました。
もともと普通のフローリングだった床には、憧れだったヘリンボーン柄のシートを貼っています。ほかにも、柄物のラグに挑戦したり、グリーンのソファに合わせてからし色のクッションをプラスしたり、植物を飾ったりとバランスを見ながら好きなものを取り入れています。
以前は生活感にあふれた普通のリビングでしたが、ウォールステッカーをきっかけに「好き」を追求していくことでmasaomi40さんの個性が際立つ素敵なリビングになりまし
た。キッチンでコーヒーを淹れ、リビングのソファに座って映画を見ながら過ごす時間が好きだそうです。
カウンターと背の高さを合わせたデスク
デスクは背の高さにこだわって選びました。カウンターとデスクを同じ高さにすることで、部屋が広く感じるからだそうです。
天板の下には100円ショップで購入したトレイを置き、デスクまわりの小物を収納しています。レトロな卓上ライトが、映画のワンシーンを連想させます。
トイレには遊び心を
トイレはキッチンやリビングとは異なり、ゴージャスでラグジュアリーに。ハンティングトロフィーと呼ばれる鹿の頭をモチーフにしたアイテムは、クリスマスの時季には赤い鼻を付けてトナカイのように飾り付けるそうです。
壁紙とハンティングトロフィー以外は、100円ショップのアイテムを駆使してつくりました。タンクレス風のDIYは、つっぱり棒とプラスチック、段ボールを組み合わせて、1,000円もかからなかったそうです。
プロを真似た部屋づくり
衣類は寝室に収納しています。厳選したアイテムが整然と並び、全身が映る大きな鏡が立てかけられアパレルショップのよう。これは狙ってつくりあげたとのこと。
ハンガーで洗濯物を干し、取り込んだ後はたたまず、そのままハンガーラックに掛けるだけ。シーズンオフの衣類はたたんで収納しています。衣替えのときは、たたんだ衣類とハンガーの衣類を掛けかえるだけと簡単。結果的に家事も効率化されました。
ベッドの上にはひまわりのアートパネルが飾ってあり、ホテルライクな雰囲気です。
4. 部屋づくりの過程
カウンターを起点にキッチンから部屋づくり
masaomi40さんは、インテリアに関する知識がまったくない状態から部屋づくりを始めました。部屋のテイストをあらかじめ決めずに、少しずつ自分らしさを出していこうと考えたそうです。
最初に強いイメージが浮かんだカウンターから取りかかり、キッチンをつくりあげていきました。コーヒーの道具を置くためにディアウォールで棚を取り付けたところ、インテリア熱が高まり、その勢いでリビングの部屋づくりを進めたそうです。リビングも最初は何から手をつければいいか悩んだそうですが、ウォールステッカーとの出合いから一気にイメージが膨らんでいきました。
部屋づくりにおいて、masaomi40さんは直感や感性を大事にしています。少しでも違和感があったら、1つ物を減らしたり、数ミリ単位で動かしたりするのだとか。自分が一番居心地いい、自分が見ていて気持ちいいことを大切にして、試行錯誤の過程も楽しんでいます。
今後はカウンターの上のレイアウトを見直したい
masaomi40さんは今、ラテアートを練習中です。ラテアートに使うエスプレッソマシンはカウンターの上に置いていますが、リビング側から見たときに殺風景に感じるといいます。
自分のイメージを再現できているので、大きな配置換えはほとんどしていませんが、こだわりのカウンターについては今後も理想を追求していきたいとのことでした。
5. これから部屋づくりを始めたい方へ
masaomi40さんは部屋づくりを楽しむなかで、高いアイテムだったのに実際に置いてみたら想像と違ったという失敗も経験しています。これから部屋づくりを始めたい方に向けて、メッセージをいただきました。
「とりあえずこれでいいか」という感覚で大きな家具を購入すると、最終的に気に入ったものが見つかっても買い直すことになります。手間もお金ももったいないし、本当に欲しいものをあきらめてしまうことにもなりかねません。
できれば部屋に何もない状態から、先にイメージを膨らませること。そして、金銭的に許せる範囲で、自分なりのこだわりを持ってインテリアアイテムを選ぶことが大切だと話してくれました。
■プロフィール
masaomi40さん
Instagram:@masaomi40
年齢:45歳
仕事:製造業
エリア:兵庫県
間取り:1LDK