「自分好みの部屋に住みたい!」でも、賃貸物件に住んでいると気になるのが退去時の原状回復。快適でおしゃれな空間にしたくても、賃貸の部屋をどこまでDIYをしていいのか分からない方も多いのではないでしょうか。
そんな皆さんのお悩みにお答えするのがこちらの企画、『賃貸のお悩み解決-お助けDIY』です。
第2回は、埼玉県にある築年数30年超の団地の一室。殺風景な部屋で「子どもが家に一人でいるのを怖がってしまう」というお悩みに、原状回復を踏まえ、和室と台所を1つにしたリビングダイニングにDIYしました。
Vol.1 |レトロなキッチンをカフェ風に!1×4材と木目調シートで原状回復可能なDIYはこちら!
1.相談者とクリエイターの紹介
【お悩み相談人】Mさん(左)
仕事柄、関東を飛び回るMさん。小学生の男の子を育てるシングルマザー。2018年春に茨城県から埼玉県に引越しましたが、お子さんが住み慣れない家を怖がり、一人で留守番できないという悩みを抱えています。
【お悩み解決人】石坂健さん(右)
株式会社ベアズ代表。店舗、住宅、事務所などのインテリアデザイン・プロダクトデザイン・DIYワークショップ・企画・ディレクションなどを行っています。
DIY Mag動画でもおなじみの、笑顔が癒し系な通称「まるちゃん」。
2.お悩みは「子どもが留守番できる、“帰ってきたくなる家”にしたい!」
相談人・Mさんのお悩み
解決人:空間が狭いと怖いと感じてしまうそうなので、台所と和室の間にある“ふすま”を取っ払いましょう!お子さんは、和室よりも洋室のほうが見慣れているようなので、台所と和室をリビングダイニングとして広い1つの洋室にするのはどうでしょうか?
Mさん:和室を洋室に変えるなんて、DIYで出来るんですか?
解決人:畳の上に敷ける床材があるので、それを使えば畳をフローリングのように見せることができます。原状回復可能な貼って剥がせる壁紙もあるので、畳と一緒に貼り替えれば和室を洋室っぽい雰囲気に変えられますよ。壁は部屋の中でも多くの面積を占めているので、1つの面を変えるだけでもずいぶん印象が違ってきます。お子さんが1人で留守番することもあるそうなので、台所の扉に黒板塗料を塗って、お子さんとお母さんのコミュニティボードも作りましょう!
解決人のアイデア
3.黒板ペイントで、家族のコミュニティボードをつくる
材料・使ったもの
■イマジンウォールペイント
■塗料を塗る道具のセット
(ペンキ・バケツ・ローラー・マスカー・マスキングテープ・ハケ)
扉に黒板塗料を塗ってコミュニティーボードに
チョークで文字や絵が描けるようになる黒板ペイントは、DIYでも人気のアイテム。
今回は、コミュニティーボードということで、文字が読みやすい暗めのペンキをチョイスしました。
※原状回復が難しいDIYです。大家さんの許可を得てから実施してください。黒板塗料を塗るときは、床が汚れないようマスキングテープなど縁に貼って保護しましょう。扉の取っ手部分までしっかりガードするのがポイント。
ローラーで広い面を塗って、取っ手部分や端のほうはハケを使うと塗りやすいです。
1度ペンキを塗って乾いたら、上から2度目を塗ります。1日乾かしたら完成!
4.和室の壁面にレンガ調の壁紙を貼って洋室っぽい雰囲気を演出
材料・使ったもの
■壁紙:はがせるシート Nu Wallpaper
■壁紙用粉のり ※不織布用
■壁紙の施工セット
(バケツ・ローラー・ハケ・なでバケ・スポンジ・カッター・地べら・竹べら・ジョイントローラー)
壁紙を貼る
貼ってはがせる壁紙用のりを使えば、賃貸でも好きな壁紙に変えられます。
グレーが好きなMさんが選んだのは、レンガを積み重ねた柄の壁紙。
実はこの壁紙のチョイスが大正解!グレーのレンガに白い目地のシックな色合いは、雰囲気をがらりと変えてくれました。最初に、バケツにぬるま湯を3リットル用意し、粉のり90グラムを入れて混ぜます。のりがダマにならないように、少しずつ入れるのがポイント。
40分置いてもう一度しっかり混ぜ合わせたら、壁紙用のりが完成です。
今回は、和室の壁全部ではなく、1番広い一面のみ貼ります。畳にのりがつかないよう、養生をしっかりしましょう。
のりは、ローラーで下から上に向かって塗っていきます。上から下に塗ると、のりが下にぼたぼたと落ちてしまうので注意!柱に接した部分や天井の近くなどの細かい部分はハケで塗っていきます。のりを塗った部分に壁紙を当てて、なでバケで余分なのりや空気を押し出すように撫でていきます。このとき、壁紙の中心から外に向かって撫でていくと作業しやすいです。
なでバケで空気を出し終わったら、端を竹べらで押さえて壁と壁紙を接着し、余った壁紙をカッターで切ります。この作業を繰り返します。
完成したときに壁紙のつなぎ目がわからないよう、きちんと柄合わせをしながら貼っていくのがポイント。ここで大切なのは、柄合わせをした次の壁紙を貼るときに2mmくらい壁紙と壁紙を合わせて貼ること。時間がたつと壁紙が少し収縮するので、収縮分を配慮して重ねて貼っていきます。
5.畳の上に床材を設置!キッチンとリビングをつなげて1つの部屋に
材料・使ったもの
■床材 MODERN DECO木目フローリング
■カッター、定規、鉛筆
畳に床材を敷いてフローリングにする
接着剤も要らず、床に置いてはめ込むだけで簡単に施工ができる床材は、原状回復がしやすく賃貸DIYにぴったりです。
今回は、リアルな木目の質感があるダークな色の床材を選びました。裏面が滑り止めになっているので、畳の上に直接置いて施工していきます。Mさんの希望で、床材をカットした余りを次の列で使う『流し貼り』というやり方で施工することにしました。まずは、壁際に沿って床材を敷いていきます。残りの幅が床材の1枚より短くなるまで敷いたら、残った箇所に敷く新しい部材を最後に貼った床材の上にぴったりと重ね合わせます。重なった部分に印をつけてカットします。
カットした床材を、半端分の床に敷いたら1列目が完成!この作業を繰り返します。
今回は、台所と和室をひと続きの部屋にしたかったので、同じ床材で台所の床も施工しました。
経年変化で古さが出ていたキッチンの収納扉には、木目調のシートを貼り統一感を持たせました。
シートの貼り方はこちら
賃貸のお悩み解決-お助けDIY Vol.1 |レトロなキッチンをカフェ風に!1×4材と木目調シートで原状回復可能なDIY
【和室before】
【和室after】面積の広い壁と床のDIYは、ほぼ1日がかりの作業でしたが、終わった後に部屋の変わりぶりを見てMさんもお子さんも大満足!早く家具を入れて、この部屋で遊びたいと話してくれました。
壁紙を貼ったところにインテリアを設置。レンガ模様とマッチし、よりオシャレな空間に仕上がっています。
お部屋の雰囲気が変わり、ドライフラワーや観葉植物など好きなものが飾れるようになりました。
【キッチンbefore】【キッチンafter】収納棚の扉が木目調に変わり、床と一体感が出ています。植物を飾ったことでナチュラルテイストな雰囲気が増し、居心地のいい空間に仕上がっています。
6.お助けDIY後の感想
さまざまな世代が暮らす多様性や時を重ねて豊かに育った植栽など、住環境の良さが再評価されつつある団地は、DIYの力でさらに魅力的な住まいになれることがわかりました。
ご相談者様募集のお知らせ
賃貸のお部屋でお悩みの方、「お助けDIYでお悩み解決」してみませんか?
DIYしてみたいけど原状回復できるか不安な方、理想のイメージがあるけど、DIYしたことがないという方、ぜひ一度DIY Mag編集部へお問合せください!
お問合せ内容を確認させていただいた上、ご連絡差し上げます。
【お問合せ内容】
・賃貸のお部屋内で悩んでいる箇所(例:洗面台)
・具体的なお悩みの内容
(例:備え付けの洗面台が使いづらいため、原状回復しやすいDIYをしたい。鏡も大きくしたい)
・ご自宅のエリア ※東京近辺にお住まいの方まで
【お問合せ先】
LIFULL HOME”S DIY Mag編集部:homesdiymag@lifull.com
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【今回使った材料】
※金額はすべて税抜です。
※材料は失敗することも考えて少し多めに用意しておくと安心です。
■イマジンウォールペイン・塗料を塗る道具セット(ペンキ・バケツ・ローラー・マスカー・マスキングテープ・ハケ)
金額:4,600円
■床材 MODERN DECO木目フローリング
金額:1セット4,620円×11セットで合計50,820円
■壁紙 はがせるシート Nu Wallpaper(巾52cm×長さ5.43m)
金額:5,500円×3本で合計16,500円
■壁紙用粉のり※不織布用
金額:1,300円
■壁紙の施工セット
金額:2,380円
【お助けDIY Vol.2:築30年超の団地を和室から洋室に大胆DIY! 材料費合計】75,600円(税別)
※価格は2018年12月の価格です。