ライフスタイル

「好き」が詰まったDIY女子のカラフルな賃貸ワンルーム|DIY PEOPLE vol.3

目次

「理想の暮らしは自分でつくる!」そんな熱い思いを胸に、DIYで住まいを編集していく“DIY PEOPLE”たち。
古民家、マンション、シェアハウス、賃貸など、さまざまな条件のもと自分たちらしい自由な暮らしを実践する姿をご紹介します。

東京都・豊島区にある賃貸マンションに住むサラさん。今回うかがったサラさんがお住まいのお部屋は、壁紙を選べるカスタムメイド賃貸。「次の人が住みたくなるように部屋作りをする」ことを条件に、住む人が自分好みの部屋を作ることができました。(※取材当時)

サラさんのお部屋は、彼女の明るいお人柄が反映されたような気分が高揚するカラーリングで作られていました。ところどころに黒が使われているのでガーリーすぎず、しまった雰囲気になっています。壁紙選びから始まった彼女のDIYは床や家具づくりにまで広がっていったのだとか。サラさんカラーに染まったお部屋ができるまでの工程と、DIY初心者の女子でもできるDIY術を聞いてきました。

DIY女子・宮田さん

好きなものをずっと楽しめる部屋にするために選んだ壁紙

入居が決まり、まずは目白の「TECIDO(テシード)」で壁紙サンプルを見ながら悩むこと1時間。決めきれずにサンプルを持ち帰り、自宅でウェブサイトも見ながら、壁紙とにらめっこしたそうです。
パソコン上で自分で作ったイメージ図「好きな柄や色はわかるけど、実際に部屋で組み合わせてみないとわかんない!」と思い、パソコン上でイメージ図も作ったのだとか。
まずは好きな色であるブルーをセレクト。ターコイズブルーのような色合いの壁紙は一目見て気に入り、即決。もう一面も好きな色にしようと、イエローを選びました。せっかくだからと、自分で壁紙を貼ったそうです。
額縁模様の壁紙一面に貼られた額縁模様の壁紙には、ドライフラワーやポストカードが飾られています。
最初は花柄のデザインを選んでいたそうですが、「飽きちゃいそうだな…」と思い、却下。そこで目をつけたのがこの額縁模様の壁紙。「これなら額縁の中に好きなものを飾ったり外したりして、長く楽しめる!「と閃いたそうです。最近はドライフラワーにハマっているそうで、乾燥途中のかすみ草やあじさいが飾られていました。

鮮やかなブルー、イエローと額縁模様の3種の壁紙が、アート性の高い女子部屋を演出してくれています。

壁紙選びから生まれたお手製家具

壁紙を使ったワゴンのリメイク勉強机のワゴンに壁紙を貼ったら見た目が一新!
壁紙を貼ったら他の部分も気になり始め、DIYの領域が広がっていったのだそう。勉強机とよくセットになっているキャスター付きワゴンに、壁紙のサンプルとしてもらった素材を家具に貼り付け、オリジナリティのあるかわいい仕上がりにしています。取っ手は黒板塗装をして落ち着いたブラックに。大判の花柄と黒の組み合わせがシックです。
家具のかんたん模様替えにはもってこいのDIY。

肌触りの良い優しい床は、置くだけDIY

西粟倉のユカハリ・タイル・ヘリンボーン床は岡山県の西粟倉村で採れた間伐材を使った「ユカハリ・タイル・ヘリンボーン」を使用。カッターでカットし、パズルのように敷き詰めるだけで無垢の床ができる優れものです。DIY初心者の入門におすすめの品。サラさんはロイヤルアネックスの住人と一緒に3人程度で作業したそう。

ちなみに「ヘリンボーン」とはニシンの骨という意味。近年、リノベーション業界ではよく取り入れられている床デザインの手法です。きれいな幾何模様と肌触りのいい材質がお部屋に居心地の良さをプラスしてくれています。

余った材料を壁に貼ってアクセントに

木材を壁紙にDIYあまった木材をボンドで壁に貼り付けました。
余ったユカハリ・タイルをバラバラにカットしてペンキで塗装。木工用ボンドで壁の一角に貼り付けています。こういった貼ったり塗ったりする、音の出ない作業を夜間におこなっていたそうです。

「木が貼れるボンドだからいけるでしょ、と思って貼っちゃいました」と笑うサラさん。その思い切りの良さが気軽にDIYを楽しむ秘訣でもあるのかな、と感じました。

「例えばもし次の人が入居するときに『この壁の木材を外してほしい』って言ったとしたら、木材を外して壁紙を貼り直せばいいと思っています。DIYをした部分は家電や家具以外、すべて元に戻すことができます。自分で作業をしたからこそ対処法がわかるのってDIYの良いところですよね。気分転換に模様替えもしやすくなります」

確かに、施工をしたら終わりではなく、日々続く部屋での暮らしをちょっとずつ変えていくことができるのもDIYのメリットです。

塗るだけイメチェンの家具

黒板塗装した本棚お気に入りの場所は、黒板塗装した本棚。窓の縁と高さが合わなかったため棚の上部をノコギリで切っています。特に作業に関しての情報収集はせず、鉛筆でだいたいのあたりをつけてノコギリで切っていったのだとか。
家具のDIY「壁にぴったりとくっつけて家具を設置したい」と考え、表からは見えない背面部分を思い切ってカット。コンセント部分に通しています。

「見えない部分だしとりあえず切ってみようと思って」と言うサラさんのおおらかさが活きたDIY家具です。
黒板塗装した冷蔵庫「いつか冷蔵庫を黒板塗装する!」と心に決めていたDIYも実現。
失敗した点としては、ムラができてしまったこと。しかしそれも、自分作ったからこその味のひとつとして気に入っているそうです。

「次にやりたいのはトイレまわり」

リビングを自分色に染めてみたら、手付かずの場所が気になってきたそうです。いま目論んでいるのは、トイレのタンクを木材で囲うこと。サラさんカラーのDIYが完成したらぜひまた見せてもらいたいです。

使った道具と買ったところ

DIYで使った道具DIYで使った道具たち。
黒板塗料は東急ハンズで購入。ノコギリは近所の工具屋さんで。お店の人に相談しながら、直接見て選んだそうです。

仕事も住まいもこだわりたいから始めたDIY

サラさんがこのお部屋に引越してきたのは去年末のこと。もともとまちや地域に興味があり、それに関わる活動をしていたところロイヤルアネックスを運営する青木純さんと知り合い、彼の会社に入社することに。これから、ロイヤルアネックスで暮らしを楽しむために部屋作りをしている住人さんたちと触れ合っていくのだから、自分がまずその暮らしを味わわなくては、と思い入居を決め、部屋づくりを始めたそうです。入居をしたことで、同じ建物内にある職場までエレベーターに乗るだけの30秒通勤の職住近接生活が始まりました。お話をするなかで、サラさんの仕事も暮らしもこだわって楽しみながら生活している様子がうかがえました。

DIY情報はネットとマンション内から

やりたいDIY、例えば「黒板塗装」などのキーワードをネットで検索して、誰かがやっている様子を参考にしているそう。また、周りにはお部屋を自分色に染め上げている住人さんが多く、そんな住人さんたちからDIY情報をゲットできると言っていました。DIYをするときにはお互いの部屋を行き来して手伝うこともあるそうで、作業経験のある「DIY先輩」が色々と教えてくれるのだそうです。「暮らし方のおすそわけができるんです」と話すサラさんから、マンション内のあたたかなコミュニティが伝わってきました。

HOME’S DIY Mag編集部の感想

部屋全体のイメージからではなく、好きなもの、やりたいことからひとつひとつ着手した結果、サラさんの感性が活きた独自性とまとまりのあるお部屋になっていることが印象的でした。切り貼りでリメイクした家具などは、DIY初心者の女子にもおすすめ。私もやってみよう!と思えるテク満載でした。

■概要
・お名前:宮田サラさん
・家族形態:一人暮らし
・住まい形態:賃貸マンション
・間取り:1R
・DIYした場所:壁・床・冷蔵庫・家具
・かかった時間:約1ヶ月
・かかった費用:2万円以内(壁と床は別)
(取材時点2016年7月の情報です)

文・写真:戸田江美