[Vol.4後編]賃貸住宅を丸ごとセルフリノベ!男同士のルームシェア

賃貸マンションの天井を抜いて壁を壊し、間取りを変えてインナーバルコニーを作る。そんな大胆なセルフリノベをして男子4人で改装しながらルームシェアをしている織戸さん、出屋敷さん、小田さん、小笠原さん。前編ではセルフリノベに至るまでの経緯とコンセプトをご紹介しました。後編では“男子の秘密基地”をテーマにした部屋の様子を詳しくご紹介します。

シェア男子

廊下のBefore/After
廊下のBefore/After

まず印象的なのが、明るい廊下。もともとは部屋との境に扉がついていたそうですが「窓からの明るい光が出迎えてくれる作りにしたい、そのためなら空調効率は下がってもいい」と判断して扉をなくしたそうです。

天井を抜くことを決意
天井を抜くことを決意

全体的に部屋が低く圧迫感があったので、天井を抜くことを決意。“自主施工”がテーマなのでもちろんバールを使っての手作業です。
失敗談としては、当初、天井を抜いたらコンクリートが出てくるつもりがそうではなかったこと。部屋が最上階ゆえ、直射日光を避けるための断熱材のスタイロフォームが出てきました。今はそこにコンクリートに見えるような白いペンキを塗っています。
施工をする部分、しない部分の判断は仕事上の経験を頼りに、時には専門家に相談しながら進めていったそう。天井にペンキを塗る対応も、そんな環境が整っていたからこそできたことです。

共用リビング

ホームパーティーをすることを前提に作られたリビング
ホームパーティーをすることを前提に作られたリビング

天井を抜くことで見えてきた張り出しに間接照明やスポットライトを置いておしゃれな演出をしています。天井にはハンモックが。当初から部屋に設置したい、と決めていたそうです。

床とテーブル

床に座る時にやわらかい方がいいけれど、絨毯はものをこぼしたときに掃除が手間だし、座布団は場所をとる…ということで、自由に動かせて幅をとらない六角形のクッションタイルを使用しています。鮮やかなカラーリングがお部屋に明るい雰囲気を加えています。
ブロックの上に天板を乗せただけの机は、可動式。人数や料理の数といったシチュエーションに合わせて、天板のサイズやブロックの高さを調節できるのです。人の出入りを踏まえた作りになっています。

ハンモックも設置
ハンモックも設置

ハンモックは設置できる場所がここしかなかったため、高い位置になってしまったことが難点。ハンモックの上部中央に設置された懸垂棒にぶら下がってから乗るそうです。しかし住人の皆さんは高さを物ともせず使用しているのだとか。
懸垂棒は、今は退去された方が熱望して付けたもの。身長190cmの彼がぶら下がれる高さに設置すると考えると必然的にこの場所になったそうです。
「実家に帰った時に懸垂棒がないと、なんだか寂しく感じちゃうんですよね」と言うほどには、皆さんの生活に根付いているようです。

キッチン

キッチンDIY
キッチンDIY

キッチン入り口を囲う大きな額縁は、玄関近くの部屋の天井に貼られていたものを降ろして再利用。この部屋は元々、大家さんの祖父母が暮らしていた部屋だそうで「祖父母との思い出の片鱗を活かしてくれた」と喜んでくれたそうです。
「改装前は、壁に向かって立つ形になっていました。そうすると、みんなが座るリビングに背を向けてします。それは寂しい。特にホームパーティーをするときなんかは、みんなで喋りながら調理をする環境にしたくて。」

お気に入りのバーカウンター
お気に入りのバーカウンター

キッチンの向きを窓の方へせり出す形にし、向かいにはバーカウンターを設置しています。このバーカウンターは出屋敷さんのお気に入り。リラックスした時間を過ごせると言います。

キッチンの入手方法はオークション
キッチンの入手方法はオークション

「実はこのキッチン、ネットオークションで落としたんです。」

なんと展示処分品だったため驚くほど格安で出品されていたのだとか。本来の価格より90万〜100万円ほど安く購入できたと教えてくれました。
男性が複数人立っても狭く感じない広さです。また、高さも若干調整したのだとか。「キッチン、洗面所は高めに作りました。男性の身長に合わせたんです。」
オークションで落としたキッチンを織戸さんが自ら部屋に運び入れ、業者に水周りの処理を依頼。仕事の合間を縫ってバーカウンターを設置したりと、作業を進めていったそうです。

床は岡山県の西粟倉村で採れた間伐材を使った“ユカハリ・タイル”を使用。カッターでカットし、パズルのように敷き詰めるだけでできるDIY初心者にもおすすめの床材です。こちらで使われているのは“ユカハリ・タイル”の中の“ワリバシ”バージョンで、割り箸の端材からできているそう。

お風呂場

こだわりのシャワーヘッド
こだわりのシャワーヘッド

織戸さんのお気に入りの場所です。身長の高い元シェアメイトに合わせて作ったため、シャワーヘッドが海外のような高い位置にあります。「このシャワーを使うと、スラムダンクの宮城の気分を味わえます」とバスケ好きの織戸さんが笑顔で教えてくれました。
元あったタイルを剥がしてモルタルの上に防水塗料を塗り、無機質な雰囲気に。施工の失敗が許されない水回りのため、自分たちで作業をせず業者に依頼することが事前に決まっていたそうです。その際は織戸さんが図面を引いて部品などのセレクトも担ったのだとか。

玄関

ブロックで作る靴箱

靴箱はリビングの机と同じくブロックの上に天板を乗せています。試しやすいDIY術です。

小田さんの部屋

和室に洋室の雰囲気を取り入れた

元々は和室だったお部屋です。「和室らしい窓と間取りがあるのに、床だけフローリングにすると違和感がある。落ち着く畳を残しながらも、洋風の雰囲気も取り入れたかった」という織戸さんの意図により、畳と無垢の床材が一緒に使われています。
実はこのお部屋の壁紙とコンセントカバーは、テレビ番組の企画で芸能人がセレクト、施工をしたのだとか。部屋角には隣の部屋にあるインナーバルコニーへ繋がる小さな扉が。“秘密基地”にふさわしいワクワク感があります。

無垢の床

畳も無垢の床の肌触りも気持ちが良いリラックス空間です。
ふすまを取り払い、見せる収納スペースにしています。中の壁を叩いた時に空洞であることがわかり、壊して拡張させたのだとか。後々可動式の棚が設置できるように、レールを取り付けています。
「この部屋は一番、元形が残っている部分です。シェアメイトの誰かが抜けた時に次の人が入ることを前提に、ある程度いじりがいのある余白を残しておこう、と当初から考えていて。」
小田さんは今後、照明器具や収納用具を追加していきたいそうです。その際は織戸さんが、仕事で使う設計プロセスを辿りながら提案と実施を手伝ってくれるとのこと。なんとも羨ましいです。

出屋敷さんの部屋

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今は仕事の都合で退去されたのですが、入居時にピアニストのルームメイトがいたのだそう。せっかくだからその人の演奏をみんなで聞けるよう、共用のリビングに近い所に彼の部屋を作ると最初から決めていたそうです。天井と壁の間に隙間を作りリビングと半一体化させ、音が空間全体に聞こえるように設計されています。現在はみんなの本棚として活用中。そのお部屋を、現在は出屋敷さんが使っています。

趣味部屋

鉄道好きな出屋敷さんのお部屋のテーマは“模型屋さんのバックヤード”。綺麗に陳列する店先ではなく、ちょっと雑然とした人の温かみが出るような雰囲気にしたかったそうです。
入ってすぐに目に付くのは鉄道のミニチュア。スイッチを入れると動きます。来客に合わせて鉄道の種類を変え、話の種にするというコミュニケーションテクニックも教えてくれました。この日は、ロイヤルアネックス近くを走る都電荒川線がレイアウトされていました。
模型を見ながら工作ができるような作業スペースと、大量の収納を一気に叶える机。リビングの机と同じく天板とブロックを組み合わせて作っているので、サイズが可動式になっています。
開口を大きくした作りになっています。ピアノの演奏を前提にしたこともありますが、ホームパーティーの中盤で料理の出し入れが激しくなった時にはこの部屋を廊下代わりに使うことで混雑を回避できる、と考えられています。

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向かい側は寝室として使用中。束(つか:小さな柱)を立ててガラス張りのインナーバルコニーを設置。このインナーバルコニーは3部屋に渡って作られています。
高さを出した部分は、収納できるようにボックスが設置されています。インナーバルコニーには駅の看板がディスプレイされていました。
鉄道グッズを見せている部分と私物を収納している寝室スペース、完全に分けることを意識しながら生活しているそう。部屋が半共有スペースの作りになっているため「自分がいないときにお客さんが来た場合も鉄道模型のレイアウトを楽しんでもらいたい、というおもてなし精神ですね」と教えてくれました。

小笠原さんのお部屋

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取材の日はお仕事で欠席だったのですが、革職人の小笠原さんのお部屋は職人気質を感じるシンプルなつくり。コンクリート壁の面積が広く、クールな印象を与えます。木製の机の上にはドライフラワーが飾られ、積まれた書籍と革張りの椅子からアトリエのような雰囲気を感じました。今後作品を陳列していけるよう、余白のスペースが確保されています。
入居前は写真の現像に使う暗室だったそうで、窓がありませんでした。現在はインナーバルコニーからの明かりが部屋を包んでくれています。洋服好きということで今後は洋服の収納スペースを作っていくことが目標だそう。

織戸さんのお部屋

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織戸さんの部屋には空間作りの元となるインスピレーションイメージが貼られていました。クリエイターらしい部屋です。無造作に置かれた荷物もなんだかおしゃれに見えるのは、織戸さんの意図。
「インダストリアル系と呼ばれている、無機質な印象を与える既存コンクリート壁に白い壁を作りました。ラフな空間の中にアクセントになるよう、物を置く方がメリハリ良く見えると考えたんです。」
ちなみに織戸さんがこの部屋を使っている理由は「僕の帰宅時間が一番遅いので、みんなの睡眠を邪魔にしないように玄関から一番近い部屋を使っています」とのこと。

今後やりたい部分

現在、洗濯物を干したり収納スペースになっているインナーバルコニーに、みんなの物をきれいに収納できる家具や本棚を作りたいそう。
あとはバーカウンターで使う椅子の革を張り替え、パイプ部分の色を塗り替えて、シックな雰囲気になるようリメイク中とのことです。

DIY情報や材料の入手はどこから?

ネットや雑誌でイメージを膨らませているそう。ネットはPinterestが主で、仕事上で使うことも多いのだとか。
材料はビバホームなどのホームセンターや、知り合いの業者から。買い出しに行くときはロイヤルアネックスの住人に声をかけ、まとめて購入することもしばしばあるそう。
床材はKUMIKI PROJECTから購入。

友人が集まるリビングに流しそうめん

友人が集まるリビングと、最近のDIY案件の一つ、テープLEDを付けた「光る流しそうめん」。マンションの夏祭りで大活躍!

HOME’S DIY Mag編集部の感想

3名の楽しそうな表情を見て、理想の暮らしを作り実現している満足感が伝わってきました。「人が好きなんです」という彼らのお部屋では度々、ロイヤルアネックスの住人さんとのホームパーティーも開催していて、マンションの憩いの場にもなっているそうです。そのせいか居心地の良い、また尋ねたくなるようなお部屋に感じました。部屋って住人さんを反映するのだなと思いました。

■概要
お名前:織戸龍也さん、出屋敷嘉亮さん、小田晃洋さん、小笠原主さん
居住形態:ルームシェア(4名)
住まい形態:賃貸マンション
間取り:4LDK
DIYした場所:水周りの施工以外の壁、床、天井、インナーバルコニー
かかった時間:約4ヶ月(解体1ヶ月、施工2ヶ月+逆噴射事件でストップ1ヶ月で4ヶ月)
かかった費用:450万〜500万 (現在進行形)
※取材時点2016年7月の情報です。
文・写真:戸田江美

LIFULL HOME'S DIY Mag編集部

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