お気に入りの家具やインテリア、DIYやカスタマイズ、賃貸でも購入物件でも自分らしさに妥協したくない。そんな部屋づくりにこだわった人たちを紹介する「こだわりの部屋づくり」シリーズ。
今回ご紹介するのは、東京都にお住まいのaman0jackさんの部屋です。コンクリート打ちっぱなしの魅力やお気に入りのアンティークアイテム、空間をまるごとDIYしたパウダールームについてお話を伺いました。
コンセプトは「狭小アパートメント暮らしの実験」
2019年、就職を機に上京。部屋探しに約2ヶ月かけ、aman0jackさんが選んだのは、コンクリート打ちっぱなしにリノベーションされた23.5m2のワンルームでした。コンクリートの無機質な質感に、美しい木目のアンティーク家具を組み合わせています。
学生時代は普通の賃貸アパートに住み、蚤の市で出合った古道具やアンティーク家具を取り入れた部屋づくりをしていたaman0jackさん。この部屋に住み始めてからますますインテリアに手をかけるようになり、家具だけでなく空間をまるごとDIYするなど、部屋づくりを思う存分楽しんでいます。
何もないから好き勝手に「実験」できる
aman0jackさんの部屋のコンセプトは、「狭小アパートメント暮らしの実験」。キッチンには緑のタイルが残されており、レトロな雰囲気も感じます。
お気に入りのアイテムはやわらかく光るフロアライト
間接照明が好きで、欲しい作家さんのライトがたくさんあると話すaman0jackさん。リビングに個性豊かな照明をいくつも置いています。
最近のお気に入りは、アンティーク家具や洋服・雑貨を扱うkrank marcello(クランクマルチェロ)で購入したフロアライトです。
ベッドサイドに取り付けた、滑車の形がユニークな照明もkrank marcelloで購入したもの。ぬくもりと実用性を兼ねたアイテムが多いこちらのお店を、部屋づくりの参考にすることもあるのだとか。
空間ごとのポイント
「密」と「疎」を意識したリビング
aman0jackさんは部屋づくりにおいて、3つのルールを重視しています。
1つ目は、空間の密と疎を意識すること。
2つ目は、ものを増やしすぎず、管理できる範囲に収めること。
3つ目は、足元に細々としたものを置かないこと。
これらのルールをバランスよく守ることで、部屋に統一感が出るそう。なかでもリビングは、「密」と「疎」をつくりあげるため配色にも細やかな工夫をしています。
配色だけでなく、家具や雑貨の素材にもこだわります。
たとえば、普遍的なデザインのダイニングチェアは、ヴィンテージ家具ならではの木のぬくもりを感じます。フランスのビストロでよく使われていたものを現地で購入し、持ち帰りました。ダイニングテーブルは、古い足場板の天板とアイアンの脚を組み合わせてDIY。素材から揃え、初めてつくった思い入れのあるテーブルです。
蚤の市で出合った品々を集めた飾り棚
木目が美しいユニークな形の照明は、家具作家であるchikuni(チクニ)氏が手がけた台座ライトです。棚の中にはガラスの小瓶や珊瑚、箱型蓄音機といったアンティーク雑貨がいっぱい。
小物のレイアウトにも、「密」と「疎」のルールを適用。配置やグルーピングにこだわり、お気に入りの品々を最適なバランスで飾ります。
緑のタイルがアクセントのキッチン
キッチンを囲む緑のタイルは、リノベーション前から残っているもの。やさしい色合いとツヤのあるタイルの質感がレトロな雰囲気を演出しています。むき出しのダクトに吊るしたコーヒー器具と相まって、居心地のよいカフェのよう。
冷蔵庫の目隠し棚と、ゴミ箱を収納できるコーヒーカウンターは、aman0jackさんのDIY。生活感の出やすい家具や家電をカバーすることで、空間全体がうまく調和しています。
コーヒーが趣味のaman0jackさん。BOCH(ボッホ)やARABIA(アラビア)など、北欧デザインが美しいカップたちは「見せる収納」に。
普段はあまり料理しないため、ほかの調理道具は備え付けのシステムキッチンの中に収納。ファイルボックスなどを活用し、取り出しやすく整理しています。使用頻度に応じて収納場所を変えるのが、すっきりと見せるコツ。
パウダールームをまるごとDIY
aman0jackさんの部屋でひときわ目を引くのが、白い壁に囲まれた半畳ほどの空間。こちらは、入居して最初につくったパウダールーム(脱衣所)です。もともと脱衣スペースがなく着替えの様子が丸見えだったため、ユニットバスを囲む形で空間をまるごとDIYしました。
なお、鋼製束は大引(おおびき)という床下の構造部分を支えるのにも使われる、丈夫な部材です。
こちらは、塗装前の写真。大がかりなDIYだったため苦労もあったそうですが、その分やりがいもあったと話します。
パウダールームの内側には、バスタオルやドライヤーなどを収納した衣装ケースが置かれています。衣装ケースの左側は、脱いだ服を入れるランドリーボックス。隙間を開け、目隠しとして扉を取り付けることで、機能的かつ見栄えよく仕上げました。鏡を兼ねたキャビネットもあり、DIYとは思えないほど完成度の高い空間です。
パウダールームの裏は、壁面を利用してディスプレイコーナーに。ワンルームの空間をあえて仕切り、壁をつくったことで思わぬメリットも。
部屋づくりの過程
好きかどうか、本当に必要か、部屋に合うか
引越しの際に持ち込んだのは、冷蔵庫や電子レンジ、ベッドやダイニングテーブルなど必要最小限の家具家電のみ。それから、食器棚や白い飾り棚、照明器具などを少しずつ買い揃えていきました。
入居して間もなくパウダールームをDIYし、その後は、コーヒーカウンターや冷蔵庫の目隠し棚、ベッドサイドテーブルなどをつくりました。今はもうありませんが、ベッドの足元にはDIYした本棚も置いてあったそう。苦労してDIYした家具も、今の暮らしに合わなければ潔く変える――まさに「暮らしの実験」です。
インテリア以外にも「暮らしの実験」を
以前住んでいた部屋と比べ、部屋自体の設備に不満を感じることが少なくなったというaman0jackさん。インテリアを考えるのが楽しくなった、と目を輝かせます。
今後は、ホームテックの導入を検討しているとのこと。「暮らしの実験」には、部屋づくりのみならず生活全般の改善も含まれるようです。
これから部屋づくりを始めたい方へ
aman0jackさんにとって、部屋づくりとは「実験」そのもの。ときには失敗しつつ、好きなものを置いたりアイデアを形にしたりと、自分なりの暮らしの形を表現できると話します。
何もない空間を自分色に染め、住みたい空間を具現化し続ける――aman0jackさんの飽くなき探求心が詰まった部屋でした。
■プロフィール
aman0jackさん
Instagram:https://www.instagram.com/aman0jack/
年齢:20代
仕事:不動産系
エリア:東京都
間取り:1R 23.5m2
一人暮らし