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お気に入りの照明を付けたい!リノベーションで実現した北欧ヴィンテージモダンの部屋|こだわりの部屋づくりvol.28:前編

【こだわりの部屋づくりvol.28:前編】 お気に入りの照明を付けたい!リノベーションで実現した北欧ヴィンテージモダンの部屋(pomqujackさん)

お気に入りのインテリア、手作りの家具、居心地の良さを追求したリノベーションなど、住まう人の理想が詰まった「こだわりの部屋づくり」についてご紹介するこちらのシリーズ。

今回ご紹介するのは、東京都豊島区在住のpomqujackさんご夫婦の部屋です。部屋に入って最初に目を引くのは、リノベーションによって実現した広いリビングです。室内は北欧インテリアのヴィンテージ家具で揃えており、オシャレさと過ごしやすさが融合しています。個性的なデザインの花瓶や鳥の置物には遊び心があり、ヴィンテージ感とは対照的なエッセンスも感じます。古さと新しさを北欧テイストでまとめるバランス感覚が素晴らしい、pomqujackさんご夫婦の部屋づくりをご紹介します。

【pomqujackさん】
・家族構成:夫婦二人暮らし
・年齢:ご主人・38歳、奥さま・42歳
・仕事:ご主人・医療関係、奥さま・事務職

「SNSからインテリアの知識を得るうちに、フォロワーさんとの交流が生まれました。最近では、SNSを通して知り合った方に会うために、地方まで足をのばしました」

【住んでいる物件】
築年数:15年
間取り:1LDK ※3LDKを1LDKにリノベーション

引越しをする前は、今住んでいる部屋の近くにある社宅に長く住んでいたというpomqujackさんご夫婦。このマンションの存在には5年前から気づいていました。

ゴミ出しがきれいにされていることから、管理が行き届いた環境のいいマンションという印象を持っていました。社宅から出なければいけないタイミングで部屋を探し始め、こちらに決めたそうです。

共働きのpomqujackさんご夫婦にとって、駅から徒歩5分圏内という利便性のいい立地も魅力的。山手線の内側に位置していますが、静かで住みやすい場所と感じています。

【リノベーションについて】
リノベーションの価格:1,750万円
リノベーションを依頼した会社:株式会社ハンズデザイン一級建築事務所

当初予想していた予算より多くの費用がかかりましたが、暮らし始めてから「お金をかけただけの価値がある」と毎日実感しているそうです。インテリアのセンスと計算しつくされた設え、何をどこにしまうか考慮された収納は、リノベーションのプロに依頼したからこそ実現できたといえます。

1.リノベーションを選んだ理由はルイスポールセンの照明

照明:ルイスポールセン/ブラインド:ミツワインテリア WIS フーガ

pomqujackさんがインテリアに興味を持ったきっかけは、結婚してからどういう部屋に住みたいかを考え始めたことでした。北欧インテリアの雑誌を読んで、まずはIKEAの家具を購入し、ベーシックな印象の無印良品の家具と合わせて使っていました。特に照明にはこだわって、ルイスポールセンのPH5とEnigmaを購入しました。

以前住んでいた部屋でルイスポールセンの照明の素晴らしさを実感していたところ、インテリアショップでアーティチョークに出合いました。そのデザイン性の高さに衝撃を受けて、いつか部屋に飾りたいと思い続けていました。この照明を付けるためには部屋を改修する必要があると感じ、リノベーションを選びました

pomqujackさんが購入したのは、大きいサイズのアーティチョークです。重量のある照明を付けるため2重天井をぶち抜いており、リビングの中央でひときわインパクトを放っています。

リノベーションでこだわったポイント

1.床を無垢材にする

リノベーションをする前に、依頼する一級建築士のご夫婦が暮らしている家を見学したpomqujackさん。見学した一級建築士のご自宅では、床に無垢材が使用されており、実物を見て素敵だと感じたため、自分たちの部屋の床も同じような無垢材で仕上げることにしました。

床だけでなく、キッチンのタイルも自分たちで決められるのはリノベーションならではです。周囲を見渡したとき、自分たちの好きなものに囲まれているのが感じられます

2.回遊性
現在の住まいは、生活スタイルに合わせて設計されているので、無駄な動きをする必要がありません。夫婦二人で暮らすなら、広いリビングとベッドルームという1LDKの間取りが理想でした。

自分たちが持っている物の量に合わせた収納スペースや、掃除がしやすい入巾木(いりはばき)など、それぞれ個性に合わせたオーダーメイドの部屋です

2.コンセプトは暮らしやすさを優先した北欧ヴィンテージモダン

ソファ:Bovenkamp/フラワーベース:FULLangle MENU Echasse Vase L スモーク

北欧インテリア雑誌に掲載されているお店に足を運ぶうちに、自分たちの好きなものが分かってきたとpomqujackさんは言います。

北欧インテリアの中でも味のあるヴィンテージ家具に魅力を感じました。そして、ヴィンテージの中でもどこかスタイリッシュで新しい印象のモダンが好きと分かったので、部屋のテイストは北欧ヴィンテージモダンに決めました
北欧家具の魅力は、デザイン性の高さと“ヒュッゲ※1”の言葉に代表されるような使い心地です。自分たちの心地よさを追求する北欧の考え方に深く共感します

※1.ヒュッゲとは、他国語で表すことが難しいデンマークの言葉。「人とのつながりによって生まれる温かで心地い雰囲気」のような意味。

3.お気に入りのアイテムはソファ

ソファ

一目惚れで購入を決めたソファは、後ろから見てもオシャレなデザインです。背もたれのカーブを抱くように付いている曲線的なパーツが、優雅な印象を与えます。

家具・インテリアの選び方

家具を購入するときは、コンセプトに合うかどうかをまず考えます。購入を判断する基準として、色と形だけでなくどこに配置できるかも重要視しています。自宅の床に新聞紙を広げて、家具を置いたときのイメージが頭の中で描きやすいように工夫しています

pomqujackさんご夫婦は、気になった家具を実際に見たり触ったり五感で感じながら選んでいます。夫婦で好きなテイストが似ていることから、家具選びは比較的スムーズだと話してくれました。

ときには意見の食い違いもあります。そうした際には、購入したいものに関するプレゼンを行っています

花瓶(ピカソおじさん):個展で購入

pomqujackさんご夫婦には、「暮らしの中で季節を感じられるインテリアにしたい」との思いがあります。取材時に飾られていたかわいらしい花束は、ご主人が用意してくださったもの。独特の存在感を放つ個性的な花瓶は、奥さまが小前陽子さんの個展で購入した一点物です。

どんなお花を挿してもかわいく見えるところが気に入っています

4.空間ごとのポイント

リビング

pomqujackさんの部屋は、入った瞬間にとても広く感じますが、実際は67m2です。

部屋を広く感じさせるために抜け感を大事にしています。ポイントは廊下をなくしてリビングを広くしたことです

広いリビングは、視線を遮る物がないので開放感を得られます。ソファやデイベッドといった大きな家具は控えめな色で揃えて、ラグや鳥の置物、クッションといった雑貨にオレンジ色の差色を添えてバランスを取っています。

・テレビボード

家の雰囲気に合うようにつくっていただきました。年月を重ねるほど変化する木の風合いを楽しみながら、長く付き合っていきたいと思っています

・デイベッド

リビングの手前には夫婦2人で寝転がれるように、デイベッドを置いています。壁掛けのテレビは可動式なので、角度を変えればデイベッドに寝転がりながら見られます
最初はこのスペースを畳にするか、2つ目のソファを置くことを検討していました。ヴィンテージのベッドフレームに出合ったことで、デイベッドにしました

ダイニング

半円形の小さいダイニングテーブルを窓に付けて配置しています。4人掛けのダイニングテーブルを置くのが一般的ですが、夫婦2人で来客も少ないライフスタイルを考慮した結果、現在の形になりました。

・ダイニングテーブル
カフェ巡りが好きなpomqujackさんは、家の中にもカフェにいるような雰囲気を味わえる場所が欲しいと思っていたそうです。窓際のダイニングテーブルは、まさにカフェを体現したような空間です。

半円のテーブルがいいと思って探しましたが、これといったものに巡り合えませんでした。なので、ヴィンテージ感のある半円のテーブルをつくっていただきました

キッチン

キッチンもほかの空間同様、夫婦2人のライフスタイルに寄り添ったつくりです。共働きの2人にとって、食器洗いにかける時間を短縮できる大型食洗器は欠かせません。さらに、食器や調理器具の数はさほど多くないため、吊り戸棚を取り付けていません。吊り戸棚を取り付けないメリットは、キッチンを広く見せられることです。

部屋の中で大きな面積を占めるキッチンは、1つの大きな家具という考え方です。木や石の素材にもこだわって、部屋の雰囲気に溶け込むようにしてもらいました。自然の素材なら、どんな雰囲気の部屋にも合うと思います

天井はルーバーと呼ばれる、隙間を開けながら細長い板を並べる造作です。これもリノベーションをお願いした一級建築士の家で見て気に入り、自身の部屋に取り入れたそうです。

ベッドルーム

ベッド:広松木工 VEROIEDA/マットレス:無印良品 高密度ポケットコイルマットレス(クイーン)/枕:無印良品 羽根まくら/照明:Artek ゴールデンベルA330S サヴォイ/サイドテーブル:広松木工 LUMEスツール

モノトーンで揃えたベッドルームは落ち着いた印象です。夫婦それぞれの手元を照らすライトは、手元のスイッチで好きなときに付けたり消したりできるようになっています。また、ベッドルームには安眠のため、2人の好きな香りを取り入れているそうです。

ベッドルーム、ウォークインクローゼットは、リビングにあるBOSEのスピーカーとリンクしていて、同じ曲が流れるようになっています。カフェで複数のスピーカーから同じ曲が流れているのをイメージしました

・書籍カバー
書籍カバーは、奥さまが折り紙を使ってつくったものです。黒と白のシックな色を選び、さりげなくインテリアに溶け込ませています。

洗面所

ホテルライクで生活感のない空間を目指すために、掃除のしやすさと見えない収納にこだわりました。

掃除のしやすい洗面台にするため、壁出し水栓にしています
すべてを隠す収納にこだわっていて、横の柱につくった収納場所には電動歯ブラシやドライヤーなどをしまっています。サイド収納は、夫婦同時に使う場合でも物を出し入れしやすいので、鏡裏収納よりストレスがないです

トイレ

アートは暮らしを豊かにすると語るpomqujackさん。トイレにもアートを飾り、心落ち着く空間にしています。

こだわりは便器に座ったときの正面にタイルを貼っている点です。また、来客用に手洗い場を付けています

トイレのドアは動きのある模様が付いた木の素材でできています。トイレに入った瞬間、インパクトを感じられるようにという建築士さんからの提案だそうです。

玄関

リノベーション前は玄関が暗いと感じていました。玄関に接するベッドルーム部分をすりガラスにすることで、圧迫感のない広々とした玄関をつくりあげています。玄関とキッチン周辺には、必要最低限の物を置いてすっきりみせるのが奥さまのこだわりだそうです。

5.現在の暮らし

この部屋に住んで大きく変わった点は、掃除や片付けのストレスがなくなったことだと話してくれました。

生活するうえで、ネガティブな感情が少なくなりました

部屋でのお気に入りの過ごし方

コーヒー好きのお二人は、JURAのエスプレッソマシーンを愛用しています。全自動なので使いやすく、毎日使用しています。休日には朝・昼・晩の3回、コーヒーを飲むそうです。挽きたての豆から淹れたコーヒーは、風味がよく、苦味と雑味を感じさせないまろやかな味わいでした。素敵な空間でイッタラのカップに注がれたコーヒーを飲んでいると、カフェに来たような気分を味わえます。

旅行

年に1回は夫婦揃って海外旅行に出かけ、ときにはお互いに1人旅を楽しんでいます。行き先はインテリアにひも付けて選ぶことが多く、行く先々で旅行の記念になるような食器を購入します。アートに興味を持つようになり、最近は香川県立東山魁夷せとうち美術館に足を運んだそうです。

後編は、リノベーション過程や収納のポイントについてご紹介します。リノベーションを検討している方へのメッセージもいただきました。

pomqujackさんのInstagramはこちら

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