サイトアイコン LIFULL HOME’S DIY Mag|こだわりの住まいづくりを楽しむWEBマガジン

6帖でつくる!仕事のしやすさ重視のシンプルインテリア|こだわりの部屋づくりvol.3

cvimg_sumai004-1-1

お気に入りのインテリア、手作りの家具、居心地の良さを追求したリノベーションなど、住まう人の理想が詰まった「こだわりの部屋づくり」についてご紹介するこちらのシリーズ。

今回ご紹介するのは、学芸大学駅から徒歩5分の場所にある麻里さんの部屋です。暖かい陽ざしが射し込む部屋は、整理整頓がされていてとても過ごしやすそうな空間です。整理収納のプロでもある麻里さんが、見た目の美しさはもちろん、動線までも考慮してレイアウトした家具・インテリアを見ていきましょう。

【麻里さん】
仕事:整理収納アドバイザー、その他
以前は一軒家に暮らしながら主婦をしていた麻里さんは、今の部屋に引越してもうすぐ1年になります。お子さんが大学生になり、一人暮らしをするタイミングで自身も一人暮らしをはじめました。仕事で全国各地を訪れることも多いので、出張の機会を利用してはカフェ巡りを楽しんでいます。体型と健康の維持も大切にしていて、今年から週に2回のパーソナルトレーニングに通っています。

【住んでいる物件】
麻里さんが住んでいるのは、学芸大学駅から歩いて5分の場所にある1K(6畳、21㎡)の部屋です。トイレとバスルームが別で独立洗面台付きという条件で、今の部屋を見つけました。南向きなので、冬でも暖房がいらない日があるくらい、日当たりがよいところが気に入っているそうです。

「前の家は駅から遠いのが難点でしたが、仕事でいろいろな場所に行くので、多少家賃が高くても交通の便のよいところを選びました。駅から近くて人通りも多く、みんなの目があるので、治安も安心です。」

1. コンセプトはシンプル、とにかく探し物をしない部屋

麻里さんの部屋はシンプルですが、それぞれの家具が持つ木の色を活かしながら、所々にアクセントで黒を入れています。濃い茶色の机と白木のベッドやスタッキングシェルフ等が違和感なく馴染んでいるのは、それぞれの色味をバランスよく置いてグラデーションのように見せているからです。シンプルなグラデーションでつくったインテリアは、単調に見えてしまうこともありますが、カーペットやブランケット等、ファブリック類で取り入れているカラーがよいアクセントになって全体を引き締めています。

一人暮らしをするにあたって、管理できる範囲でしか物を持たないシンプルな暮らしをしようと思っていました。

お気に入りのアイテムはシルケボーのブランケット

ブランケット:シルケボー

部屋に入った際に、ひときわ目を惹くのは見るからに柔らかそうなブランケット。羊毛100%でつくられたシルケボーの高級品です。

ベッド

ベッド:無印良品

1K という部屋の広さから考えると、収納に使えるスペースは限られてしまいます。収納スペースを確保するために、高さのあるベッドを選んでいます。

仕事で頻繁に使うスーツケースは手前に置いて、1年に1回しか履かない長靴や、めったに見ない書類などを奥の方にしまっています。

スタッキングシェルフ

スタッキングシェルフ:無印良品

前の家から持ってきたプリンターが入らなかったので、スタッキングシェルフは、真ん中の板を外して使っています。

テーブル、ラグ

テーブル:noce/ラグ:unico

テーブルは油圧式で高さを変えられるため、仕事や食事の際には高くして、リラックスする際には低くするなど、臨機応変に対応できます。一番下まで低くすると、10~15cmほどの高さになりベッドの下に収納することもできます。

ソファ

ソファ:receno.interior

いろんなところが90度に折れて、フラットになるところが気に入っています。ひじ掛けを倒すと簡易ベッドにもなるので、ちょっとしたお昼寝にも使えるから便利です。

チェスト、テレビ台

テレビ台:無印良品/チェスト:無印良品/壁の飾り:貴妃花

壁に飾っているのは、すべて天然木でつくられています。北海道の美瑛町にいく機会があって、そこのクラフトショップで買いました。

シュシュ、アクセサリー収納:無印良品/フェイクグリーン:ニトリ/アロマディフューザー:ニトリ

キッチン

頻繁に使う調理道具を取り出しやすい場所に置くようにすると、散らかりにくいキッチンになります。お玉や調理ばさみはフックで吊るせば、場所を取りません。

トイレ

トイレは自分しか使わないので、掃除のしやすさ重視でトイレマットもスリッパも置いていません。

つっぱり棒:100均

トイレの洗剤はパッケージを剥がして、見た目にもスッキリ見せられるように工夫しています。つっぱり棒に吊しておけば、掃除のとき邪魔になりません。

2. 収納、配色、質感等のバランスを保ちながら、素敵な部屋づくりをする

部屋の家具の選び方で、白木で統一するなど木の色を揃えた方が、一般的にはちぐはぐな印象になりにくいです。麻里さんの場合は、あえて木の色を揃えていません。様々な木の色をバランス良く置くことで、グラデーションのように見せることに成功しています。

部屋づくりの過程1:限られたスペースに置く家具は、収納しやすいタイプを選ぶ

①ベッド
無印良品のベッドは高さが2種類あって、麻里さんが選んだのは床下26cmの高いタイプです。高さのあるベッドを選んだのは、ベッド下を収納スペースにするためです。あまり使わない物は奥の方にしまい、頻繁に使う物は手前に置くなど、使用頻度別に収納するように、心がけています。

②収納BOX
ベッドの横側に重ねてあるのはIKEAの収納BOXです。中には仕事で使用する書類やプロジェクターなどが入っています。引越したばかりの頃は6箱あって、それをテレビ台にしていたそう。テレビ台を購入した今は、4箱に減らして中身を取り出しやすい場所に移動しました。

部屋づくり過程2:ひとつで兼用できるアイテムを利用しよう

③テーブル

一人暮らしの部屋だと、ここが勉強コーナーで、ここがリビング…という様に分けるだけのスペースがありません。仕事用のデスクとカフェテーブルを2つ置きたかったですが、そのスペースはないと判断して、2つを兼用できるテーブルを選びました。

④スタッキングシェルフ、キャビネット
スタッキングシェルフを選んだのは、ベッド横にあるもう一つのスタッキングシェルフとくっつけて使うこともできるからです。規格が変わらず、柔軟に形を変えて使える無印良品の家具が気に入っているそうです。

好きで集めている食器を入れる場所が欲しくて、キャビネットを買いました。食器はキッチンにも収納していますが、キャビネットにもあります。

⑤ソファ

引越ししてからしばらくの間、油圧式テーブルを使って、ベッドに腰かけながら仕事をしていたという麻里さん。ベッドに長時間座ると、そこがへたってきてしまい、背もたれが無いのが不便で、やはりソファを購入することに決めました。ソファはネットで購入したものの、事前に店でサイズや座り心地を確認しています。

家具を購入する際には、搬入経路も考えてから買わないと失敗することがあります。このソファは、脚が外れてコンパクトになるし、それほど重くないので運搬や組み立てがスムーズです。

部屋づくりの過程3:ポイントにしたいアイテムにはこだわりぬく

⑥ブランケット

インテリアもファッションと同じです。全部をリーズナブルなアイテムで揃えるよりは、高級品をポイントで入れることで、センス良く見えます。高い物と安い物をミックスさせると、安い物が安く見えない気がします。

インテリアにこだわるようになったきっかけと今後の部屋づくり

子どものときから模様替えをするのが好きでした。

そう話す麻里さんは、ファッションや器を選ぶような感覚で部屋づくりをしています。異なる木の色を上手に溶け込ませたり、黒をポイントに全体を引き締めたり、高価な物とリーズナブルなアイテムを組み合わせたりと、ハイレベルなセンスは一体どこからきているのでしょうか。

小さいときから母に美術館に連れていってもらいました。母は器集めが好きな人で、そうした趣味は私にも受け継がれています。

きれいに整理整頓されている部屋ですが、今後は、さらに物を減らしていきたいそうです。ポイントにしている黒に加えて、グリーンの観葉植物も積極的に取り入れたいという計画も話してくれました。

3. 物を持つ目的をはっきりさせれば、無駄な買い物は避けられる

整理収納をするにあたり、収納を7~8割に抑えて2~3割は余裕を持たせるという考え方があります。一人暮らしの広さではそれを実行するのが大変だと麻里さんは話しますが、それでも物を買いすぎないような工夫をして収納のバランスを取るようにしています。

物を買うときに、それを何のために持つのかということを考える癖付けができているのだと思います。目的をもって物を買うようにすると、自然とあまり買わなくなります。

整理という言葉には、不必要な物を取り除くという意味があります。必要な物とそうでない物を明確にしておけば、無駄な買い物を避けられるそうです。例えば、マスキングテープを集める行為など、趣味で収集する物はどのように考えたらいいのでしょうか。

趣味で集めるとしても、それを持っていることで気持ちが盛り上がるなら、意味があるのではないでしょうか。ただし、それを買う場合、例えば日用品のストックを買わないようにするなど、他で調節することは必要です。

家の中に入る物と出ていく物のバランスが、全体的に取れていれば問題ないということです。

4. 収納について

収納に関してお話を伺うと、意外にも「きれいな収納にはこだわっていない。」という回答が返ってきました。麻里さんが目指す収納は「探し物をしない収納」であって、例えば引き出しの中の文具を白で統一するような、見た目重視の収納はしていないそうです。

パッケージを揃えるような、細かな収納もそれをすることで気分が良くなるならいいと思います。私の場合は、そうした気持ちが湧かないからやらないというだけです。

クローゼット

上の段にある白いBOXに入っているのは、すべてバッグです。右端の茶色の袋には、お店でもらう袋をまとめて入れています。溜め続けると溢れるので、5枚以上になったら、どれかを捨てるようにしています。クローゼットの下には、無印良品の収納ケースに洋服や下着などを入れています。ドアを開けたときに外から見えるのが嫌なので、表面に厚紙を貼りました。

洗濯物を干す際に使用するハンガーも、まとめて収納しておけば乱雑な印象になりません。

チェスト

趣味で集めている食器類を上段に置き、下段には無印良品のファイルに仕事関係の書類を入れています。クローゼット内の収納と同様に、表面は外から見えないように白い厚紙でカバーされています。

アクセサリー

髪が長いときに使っていた髪留めを無印良品の収納ケースに入れています。アクセサリーも同じく、無印良品の収納ケースです。

掃除道具

掃除用具は、チェストと壁の間のスペースにまとめています。

キッチン

シンク下の収納も、取り出しやすいことを最優先に考えた収納です。スーパーでもらう袋は小さく縛って、無印良品のケースにまとめています。
シンクの上にあるニトリの収納ケースは、持ち手が下まであって使いやすいタイプです。上の段は高すぎて取り出しにくい位置にあるため、使っていない物を入れているそうです。

洗面台周辺

タオルの枚数をそれぞれ決めて、収納に収まる分量だけ持つようにしています。

無印良品の収納BOXは、下は蓋付きで上はあえて蓋なしにしています。置きっぱなしを防ぐには、取り出しやすく、片づけやすい収納にしておくことも大事だそうです。

トイレ

トイレ上の収納BOX:ニトリ

トイレ上部にある棚には、収納ケースを置き、トイレットペーパー入れとして使っています。トイレットペーパーのストックも最小限です。

5. 趣味や休日の過ごし方

自宅での仕事や出張など、個人事業主として忙しく働く麻里さんですが、休日は趣味のお店巡りや最近はじめたパーソナルトレーニング、旅行を楽しんでいます。

お店巡り

カフェ巡りは好きで、学芸大学や恵比寿のカフェによく行きます。仕事のついでに、1時間ぐらい早くいってお店に立ち寄ることもします。

おすすめのカフェは、目黒通り沿いにあるFactory & Labo 神乃珈琲。スタッフが皆、白衣を着て迎えてくれる斬新なコンセプトのお店だそうです。スケルトンの建物の中央には焙煎工場があり、出されるコーヒーの味も本格的です。

学芸大学駅からすぐの場所にある、オシャレな八百屋さん「Chef’s Marche」も最近のお気に入りだそうです。
野菜はもちろん、その場でカットして容器に詰めてもらうサラダが人気です。様々な野菜がたっぷり詰まった一人前で250円というリーズナブルな価格も、ヘルシー志向の女性から支持されています。

パーソナルトレーニング

長年、テニスをやっていた麻里さんですが、ライフスタイルの変化で続けるのが難しくなってしまいました。広い場所がなく、一緒にプレーする人もいない等、運動はしたいけれどもテニスを再開するには難しい状況です。そこで、新たに始めたのがパーソナルトレーニングです。

パーソナルトレーニングができる場所は、近所にたくさんありました。近所でないと続けられないと思っていたので、良かったです。基礎代謝をあげて、普通に生活するだけで痩せる体にしたいです。

旅行

時間を見つけては、友人と一緒に旅行や一人旅をしてリフレッシュする時間をつくっています。四国の松山出身の麻里さんは、最近初めて訪れた沖縄のすばらしさに魅了されたそうです。

同じ日本なのに、外国にいったような気分になれます。1年に1回は沖縄にいってリフレッシュしたいですね。

6. これから部屋づくりを始めたい方へ

一人暮らしをしてみてわかったことは、とにかく収納スペースが少ないということです。

一軒家なら、どこかの部屋を潰すなどして逃げ道をつくれますが、一人暮らしのワンルームや1Kだとそうはいきません。一人暮らしを始めるなら、収納に困らないように持ち物の量を減らすことが大事だそうです。

管理能力の範囲を超えるほど物を持っても、よいことはありません。これは収納だけでなく、人間関係にもいえることかもしれません。

一人暮らしの経験を通して、自分の大切な物を限られたスペースに置きたいという気持ちがよくわかったとも話してくれました。

※麻里さんのインスタグラム

アカウント名:a___l__e_
趣味ではじめたインスタグラム。フォロワーを順調に増やしている現在では、仕事につながるような投稿も意識するようになったそうです。部屋の収納に関する投稿を増やしていきたいと話してくれました。一人暮らしの経験を生かして、一人暮らしのサポートをすることも考えているそうです。

お気に入りの一枚

a___l__e_さんのInstagramを見る

一人暮らし(単身)にぴったりな間取りを見る