お気に入りの家具やインテリア、DIYやカスタマイズ、賃貸でも購入物件でも自分らしさに妥協したくない。そんな部屋づくりにこだわった人たちを紹介する「こだわりの部屋づくり」シリーズ。
今回ご紹介するのは、東京都西東京市にお住まいの平塚剛史さん・緑川彩さんご夫妻の部屋です。一軒家をセルフリノベーションした際のエピソードや、お気に入りのアイテムについてお話を伺いました。
木をうまく使ったセルフリノベーションで暮らしを最適化
家具職人である平塚さんと、編集者である緑川さんご夫妻。2年半前、一緒に住む際にお二人が重視したのは、「DIY可」の「一軒家」という条件でした。築45年のこちらの物件は、予算内だったこともあり即決したのだとか。大きな公園が近く、自然が身近なところも気に入っています。
木の素材感にこだわり、棚や家具をDIY
セルフリノベーションの魅力は、色や素材を自由に決められること。お二人の根本には、「木をうまく使いたい」という思いがあるそう。
木を使う仕事をしている平塚さん。木の素材感にこだわりつつ、大小さまざまなものをDIYしています。
お気に入りのアイテムは大きな木の器とキッチンペーパーホルダー
夫がつくった木の器
緑川さんのお気に入りは、大きな木の器。ご主人が誕生日プレゼントとしてつくってくれたものです。
自作したキッチンペーパーホルダー
平塚さんのお気に入りは、自作したキッチンペーパーホルダー。置いたり吊るしたりできる優れものです。使い心地のよいアイテムを生み出せるのも、家にいながら常にアンテナを張っているからこそ。
空間ごとのポイント
秘密基地のようなリビング
約4mもの高さがある、開放感あふれる天井。梁から吊るし宙に浮いた本棚が、まるで秘密基地のよう。「吹き抜けの空間に本棚を浮かせたらどうだろう」というアイデアを実験した、こだわりの空間です。
大がかりなDIYだけでなく、誰にでもできる身近なアイデアも。たとえば、ダクトレールを活用して電球やドライフラワーを吊るすのは、DIY初心者にもおすすめ。生活感が出やすいエアコンも、塗装するだけで簡単に雰囲気を変えられます。
コレクションを見せる飾り棚
ご夫婦そろって器や雑貨を集めるのが好きとのこと。「見せる収納」が家のあちこちにあり、コレクションがいくつも飾られています。
緑川さん「このビール瓶は、外国に行ったときに買ったもの。ラベルがかわいいので飾っています。花瓶は、古道具店で購入しました。なんでもない錆びた瓶を、自分で白く塗っています」
オープン収納にリノベーションしたキッチン
見せる収納はキッチンにも。背面をブルーに塗った飾り棚に飾られているのは、お気に入りの器たち。暮らしの変化に合わせ、棚を増やしてきました。
照明は、以前住んでいた方が残したものに黒のカラースプレーで塗装。家電やキッチンツールとも色味がマッチしています。カラーコーディネートは、お二人で相談しながら決めたそう。
オープン収納に憧れて、キッチン上部に板を3枚取り付けました。1番下の棚板には、キッチンツールを吊り下げられる工夫も。
漆喰と木のクローゼット
こちらのクローゼットは、緑川さんがこだわった場所。左官職人がつくる漆喰の壁の表情が好きで、自分で塗ってみたかったそう。
部屋づくりの過程
お互いのアイデアを持ち寄る
物件が決まった後、まずはお互いが理想とする家のイメージを擦り合わせました。アイデアを持ち寄る際に活用したのが、Pinterestのグループボード機能です。
天井を塗る
入居前のフリーレント期間を活用し、まずは天井の塗装からスタート。山小屋のような雰囲気を変えるため、全面を白く塗り替えました。家がいっそう明るく、広く感じられます。
壁を塗る
天井の次は壁を塗りました。寝室として使う小上がりの和室には、落ち着いたトーンのブルーを選択。100円ショップで青、黒、グレーなどの塗料を購入し、自分で混ぜ合わせたそうです。こだわりの色を自作しつつ、安く抑えるためのテクニックです。
セルフリノベーションのエピソード
家具は、住んでみて必要だと感じた場所に随時DIYしていきました。しかし、空き家のセルフリノベーションには楽しいだけはない一面も。
また、キッチン・お風呂・トイレなど、水回りの設備はある程度妥協せざるを得なかったそう。
セルフリノベーションで「おうち時間」がもっと豊かに
以前は都心に住み、休日は外でアクティブに活動することが多かったという緑川さん。今は家で過ごすことが増え、ライフスタイルが大きく変わったと感じています。激務だという平塚さんも、この家に住み始めてからは「おうち時間」がさらに豊かになったそう。
普段は、ソファや和室でのんびり過ごすことが多いというお二人。今後はこのソファ周辺の空間を拡充したいとのこと。新しいソファをつくり、プロジェクターを使った「おうちシネマ」を楽しみたいと話してくれました。
これから部屋づくりを始めたい方へ
最後に、お二人にとってセルフリノベーションとは何かをお聞きしました。
さらに、これからセルフリノベーションを始めたい方に向けてメッセージもいただきました。
■プロフィール
平塚剛史さん、緑川彩さん
Instagram:mikiri_hassya_no_ie
年齢:34歳(平塚さん)、32歳(緑川さん)
仕事:家具職人(平塚さん)、編集者(緑川さん)
エリア:東京都西東京市
間取り:2LDKの一軒家