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3色ルールとアンティーク家具でつくる居心地と合理性を追求した部屋|こだわりの部屋づくりvol.35

3色ルールとアンティーク家具でつくる居心地と合理性を追求した部屋|こだわりの部屋づくり

お気に入りの家具やインテリア、DIYやカスタマイズ、賃貸でも購入物件でも自分らしさに妥協したくない。そんな部屋づくりにこだわった人たちを紹介する「こだわりの部屋づくり」シリーズ。
今回ご紹介するのは、東京都にお住まいのnorimaiさんの部屋です。アンティーク家具の取り入れ方や、空間をまとめる「3色ルール」についてお話を伺いました。

コンセプトは「居心地と合理性」


以前はペット不可のマンションに住んでいたnorimaiさんご夫妻。犬と一緒に暮らしたくて、ペット可の物件を探したそうです。広々としたキッチンと二面採光に惚れ込んで、引越しを決めました。

お菓子づくりが趣味なので、キッチンが広いことが条件でした。また、趣味や仕事で写真を撮るため、窓から自然光がきれいに入ることも決め手となりました

リラックスできる部屋づくり


norimaiさんは自分の部屋について、「〇〇北欧系」や「ナチュラル系」といったよくあるテイストに分類できないと言います。雑誌などからはあまり情報をインプットせず、心地いいと感じるものを追求してきたそう。

古いものやアンティークなものが好きで。自分の中に、好き・嫌いの軸がちゃんとあります。部屋のコンセプトは、『居心地と合理性』。自宅で過ごす時間が長いので、リラックスできることも重視しています

「3色ルール」で部屋をまとめる


norimaiさんが絶対的な基準としているのが、「3色ルール」。たとえば、リビングは古い木とグレー系と真鍮の色だけを採用しました。エリアごとに使う色を決めると、部屋に統一感が出ます。

お気に入りのアイテムはアンティークのキャビネットと真鍮のデスクライト

キャビネットはフランス製のアンティーク


フランス製のキャビネットが、norimaiさんのお気に入り。アンティーク家具には、一期一会のよさを感じると言います。

最初に購入した人が手放すときに、ゴミとして処分する選択肢もあったと思うんですよね。それでも捨てられずに、大切にされながら生き抜いてきた子って、余計にいとおしいなと思います

真鍮のデスクライトもお気に入り


こちらのデスクライトは、ドイツ製のアンティーク。イメージどおりのものが見つかったとうれしそうに話してくれました。
アンティーク家具を取り入れるコツは、新品と古いものの境界を意識せずに合わせることだそう。

アンティーク家具のほうが、新品よりも馴染みやすいような気がします。アンティークってハードルが高く感じる方も多いそうなのですが、古い板とアイアンテイストのものを合わせてみるとか、デスクライトなどの小物だけちょっとアンティークなものにしてみるとか…。取り入れてしまえば、そんなに難しくないですよ

空間ごとのポイント

キッチンはクローズ収納。「全部しまう派」のこだわり


お菓子づくりが趣味のnorimaiさん。実用的にキッチンを使いながらも美しく整理収納しています。

アイランドキッチンの後ろの扉が全部収納なんです。中に調理家電を収納しています。大型の引き出しを入れて、調味料やお菓子の型などもすべて収納。『全部しまいたい派』なんです(笑)


norimaiさんの「3色ルール」は、キッチンにも。清潔感を重視したキッチンは、「白、グレーまたはシルバー、ウォールナット」でまとめています。家電から消耗品、日用雑貨まですべて白で統一する徹底ぶり。原色が目立つ商品パッケージは詰め替えるのではなく、すべて収納することで見せる色を統一。実際にキッチンをよく使うnorimaiさんならではの、手間をかけない工夫です。

ダイニングは好きなものを置くエリア


ダイニングの「3色ルール」は、古い木材の色合いとダークグレー、そして植物の緑。特にこだわりを持っているのは木の色と質感だそうです。

古い質感のものですね。つやがない古い木材で、赤や黄色の色味があまり入っていないもの。くすんだ落ち着いた色を探しました


ダイニングの壁にある、掘り込み式のディスプレイコーナー。内見時に心惹かれたそう。お気に入りのキャビネットと合わせて、ダイニングは「好きなものを置くエリア」にしています。

自分の気持ちを豊かにしてくれるものを置いています。植物だったり、作家さんの花器だったり、香りを楽しむためのアイテムも多いですね。ふとした瞬間に好きな香りを感じると、心に余裕が生まれる気がします

小物を飾るとき、norimaiさんが大事にしているのは「余白」。アイテムを厳選し、背の高さや色のバランスなどを考えながら等間隔で配置します。春は桜モチーフ、夏はガラスの小物と、季節ごとに小物を入れ替えるのも、暮らしを豊かにする工夫です。

植物を取り入れ暮らしを豊かに


在宅でお仕事をされているnorimaiさんは、家での過ごし方を大切にしています。植物を飾ることも、暮らしを豊かにする工夫のひとつ。今、キャビネットの上に飾られているのはドウダンツツジです。

自然のもの、特に季節のものを取り入れるようにしています。『余裕がないとこういった暮らしはできないよね』と言われることもありますが、あえて取り入れたほうが心に余裕が生まれるんじゃないかな

なるべくモノトーンの花器や花瓶を選ぶ理由は、そこに花の色がプラスされるから。norimaiさんは、陶芸家の作品を多く取り入れています。

器自体には色がなくて、質感や形が面白いもののほうがインテリアに取り入れやすいです。あとは、思いきって大ぶりの枝ものを飾るのもおすすめ。空間が締まり、雰囲気がかなり変わります

ワークスペースにもアンティークを


ワークスペースには、デスクが2つ。手前にあるのは、写真撮影に使ったりご主人がときどき使ったりする作業デスク。壁に寄せて置いてあるのがnorimaiさんの仕事デスクです。

脚の細工が美しい日本製のアンティークデスク。norimaiさんが最初に購入したアンティーク家具で、いとおしそうに使い心地を語ってくれました。

使い込まれて角が取れているので、触った感じや使い心地もやさしくて気に入っています

ペットとの暮らし


こちらの部屋に引越した後、norimaiさんはトイプードルのてんちゃんをお迎えしました。
ペットとの暮らしではさまざまなトラブルが起こりやすいもの。トラブルを回避するためにも、norimaiさんの「全部しまう派」という考え方は役立っています。

我が家は『ワンコファースト』なので(笑)膝の高さより下には物を置かないようにしたり、植物も高い台に置いたり…。てんのおかげで部屋がきれいに保てるというのもあると思います

部屋づくりの過程

部屋づくりの過程1:間取り図を見ながら配置を考える


norimaiさんの部屋づくりは、入居前から始まります。サイズを測り、間取り図を見ながら、パズルを組み立てるようにして配置を考えるそうです。

この部屋に住むと決めた瞬間から、家具の配置はほぼ決めています

部屋づくりの過程2:生活動線を想定してDIY


家具選びや配置にあたってnorimaiさんが大事にしているのは、「生活動線」です。あらゆるシチュエーションを想定する徹底ぶりに驚かされました。

たとえば、ワークスペースとリビングの境界にあるデスクは、古材とアイアンレッグを組み合わせたDIY。自然光を使ってお菓子の写真を撮るときに活躍しています。頻繁な移動を想定して、あまり重くない素材を選びました。

写真を撮ったり、てんを見ながらゆるく仕事をしたり…あとは、壁側にくっつけられるサイズにすれば友人が来たときに荷物置きにできるな、とか。普段とは違うシチュエーションも含めていろいろな使い方を想定しています

部屋づくりの過程3:壁紙のDIY


ワークスペースのグレーの壁は、norimaiさんが一人でDIYしました。入居当初は壁紙を貼るかどうか迷ったらしく、引越しから1ヶ月ほどたってから作業したそう。

家具がないうちに貼るほうが楽だったとは思います(笑)でも、しばらく住んでみてから、光の感じや色味を考えながらやりたくて

今後はアートにも挑戦したい

今後は『アートに挑戦』がテーマですね

植物も好きなnorimaiさんは、アンティークの植物標本を玄関に飾りたいと話してくれました。

これから部屋づくりを始めたい方へ


norimaiさんが、これから部屋づくりを始めたい方に向けて送ってくれたのは、「部屋のテイストやジャンルにはこだわらなくていい」というメッセージ。

あまりジャンルなどに囚われず。家はプライベートな場所なので、自分が気に入ったものだけを選んで、使う色のルールだけ決めてあげれば、いい感じに仕上がると思います

心地いいものに囲まれる暮らしこそが、余裕のある「豊かな暮らし」にもつながる――。そう感じさせてくれる部屋でした。

■プロフィール
norimaiさん
Instagram:@norimai
仕事:セレクトショップオーナー/Webメディア運営
東京都
夫婦二人暮らし、犬(トイプードル:てんちゃん)
間取り:1LDK(29畳+ベッドルーム8畳)