気温の変化が激しく、環境も様変わりする春は、心身ともにストレスを多く受けてしまいがち。新しい環境で気を張っていたり、そうした緊張状態が解けなくなってイライラが募ってしまったり……。
そんなときこそ、自覚が薄くてもまめなセルフメンテナンスが大切です。情動に直接働きかける“香り”を使って気分転換を図り、ストレスをうまく解消しましょう。
今回は、数あるアロマオイルの中でもとくに押さえておきたい基本の3種類を紹介します。
1.不眠が辛いときには「ラベンダー」
“春眠暁を覚えず”という言葉の一方で、自律神経のバランスが乱れがちな春には、夜なかなか寝付けない人や眠りが浅くなる人もいるでしょう。
そんな不眠の原因でもある自律神経の乱れを整えてくれるのが、「ラベンダー」オイル。
静かで深いフローラルの香りが特徴で、緊張を緩ませリラックスさせる効果があるため、なかなか寝付けないときや眠りの浅いときにおすすめです。また、鎮痛効果があり、頭痛や胃痛、月経痛といった痛みを軽減することもできます。
アロマオイルの中では定番中の定番でもあり、柑橘系やハーブ系、樹脂系といったさまざまなオイルとも調合が可能なので、1本持っておくと便利です。
ちなみに、「ラベンダー」オイルにはいくつか種類がありますが、もっとも一般的なのは「真正ラベンダー」と呼ばれるタイプ。それ以外の種類にも、それぞれに異なった効果がありますが、いわゆる“ラベンダーの香り”と全く異なる香りだったり、神経毒性を持っていて使用法が難しかったりするため、個人で使う場合には「真正ラベンダー」がおすすめです。
2. イライラや緊張を和らげたいときは「オレンジスイート」
新生活で気分が昂った状態が続くと、今度は力を抜くのが難しくなりがち。そんなイライラや緊張を和らげるときに使いたいのが「オレンジスイート」。オレンジの皮から圧搾法で抽出したアロマオイルで、その名の通り、柑橘ならではの甘酸っぱい香りが魅力的です。
みずみずしい香りは心を前向きにしてくれるだけでなく、消化不良や食欲不振、下痢といった消化器系トラブルにも効果的。“気を遣いすぎて疲れてしまう”、“ストレスの影響が胃腸に出る”、といった人にとくにおすすめです。
3. 気分が塞ぎがちなときには「ベルガモット」
ストレスを受けて気分が塞ぎがちになったり、憂うつ状態になってしまうときには「ベルガモット」オイルがおすすめです。「ベルガモット」は数あるアロマオイルの中でも精神面で大きく作用する特徴があり、ラベンダーやオレンジと並んで人気の高いオイルだと言えるでしょう。
香りは、オレンジとレモンを組み合わせたような爽やかな柑橘系。気分を高揚させてくれるだけでなく、停滞したエネルギーを循環させる働きももっているため、躁鬱状態や情緒不安定などのアンバランスなときにも効果的です。
また、「オレンジスイート」と同様、消化器系トラブルに働きかける効果も。腹痛や消化不良、食欲不振などの悩みにも使えるので、心身両方のレスキュー剤としてポーチに忍ばせておいてもいいかもしれません。
ディフューザーがなくても大丈夫。アロマオイルを気軽に取り入れて
「アロマオイル」と聞くと、ディフューザーや加湿器といった専用器を揃えないといけない気がしますよね。でも、使い方はアイディア次第。ハンカチやティッシュペーパーなどに1,2滴オイルを落とし、肌に触れないようにしながら吸い込むだけでも十分に香りを楽しめます。気負わずさらりと日常生活に取り入れて、春トラブルを乗り切りましょう。